Twitter動画広告の成果と事例 10秒以下動画は最大で50%以上のCVR改善に

国内月間利用者数4,000万人を突破した、大手ソーシャルメディア「Twitter」。140文字以内の文章を投稿するだけのシンプルな仕様ですが、その気軽さとリアルタイム性は多くの人の心を掴み、今では特に若年層のライフスタイルに欠かせない“最新情報を得る場所”になっています。

また、Twitterを活用した広告・宣伝も日々進化しています。ことアプリプロモーションにおいても、インストール数を増やしたり、潜在ユーザーをターゲティングしたり、エンゲージメント率を促進したりと、その用途は様々。恐らく多くの事業者が、一度はTwitterに出稿したことがあるのではないでしょうか。

さて、なかでも最近脚光を浴びているのが、動画でインストールを促す広告「ビデオアプリカード」です。次々と押し寄せる情報と、流れるタイムラインの早さで、“ユーザーに動画で魅力を伝えることはできるのか”と少々懐疑的な部分もありますが、深く調べてみると秒数やクリエイティブの改善によって、多くの成果と事例が出てきたようです。

「Active Media」では、Twitterの動画広告の最新事例について、Twitter Japanの新宅暁氏  にお話を聞いてきました。貴重な調査データとともに、今後の動画広告の可能性について紐解いていきましょう。

 

Twitter動画広告のクリエイティブの傾向とは

新宅 暁(シンタク アキラ) 氏 

Sr. Sales Product Specialist

ウェブダイレクトレスポンス広告、アプリインストール広告の商品戦略を推進。以前はアカウントマネージャーとしてアプリデベロッパーのTwitterマーケティング活用をサポート。

 

――:本日はよろしくお願いします。Twitterでは膨大なユーザー母数はもちろん、ゲームに親和性の高い若年層が利用されていることもあり、モバイルアプリプロモーションにおけるコンバージョン率の高さなどが以前から注目されています。なかでも最近は動画広告が好調であると耳にしましたが、はじめにTwitterのモバイルアプリプロモーションの特徴から教えてください。

新宅暁氏 (以下、新宅):Twitterのモバイルアプリプロモーションには、大きく分けて3つのクリエイティブが存在します。静止画のサイズの異なる「イメージアプリカード」の2種類、そして動画が「ビデオアプリカード」の1種類。これら3種類のクリエイティブを、毎回クライアント様のROI(Return On Investment – 投資対効果)に合うよう試行錯誤しながら広告を展開しています。

静止画は、表現の幅が狭まったり、ゲームの魅力を伝えきれなかったりと、手軽な反面、ハードルがあります。一方でオススメしている動画では、タイムライン上に表示されることで動画が再生され、短いものでは10秒、長いものでは2分以上の映像を通し、ゲームの魅力を分かりやすく伝えています。動画の下部には、インストールのコールトゥアクションボタンを設けて、そのままインストールに促しております。

 

――:動画は、一部表示されることで、自動再生させるのですね。

新宅:そうですね。あとクリックすると、全画面で表示できたり、音が流れたりします。そのほか、動画広告のなかに「プロモビデオ」という別の広告フォーマットがあるのですが、ここでは“何秒見られたら課金”という視聴課金制をとっています。ビデオアプリカードの場合は、まさに利用者のクリックやインストールで課金されていくので、ROIに合うようなモデルになっています。

 

――:傾向としては、ビデオアプリカードの需要が増えてきているのでしょうか。

新宅:はい。なかでもCPC(Cost Per Click – クリック単価)で運用していただく場合が多いです。何故なら、CPI(Cost Per Install – インストール単価)だと獲得ボリュームが狭く、Twitter利用者はゲーマーが多いため、CPCで強めに出していくほうが大々的に訴求出来るからです。

 

――:動画広告といっても、Twitterはかなりスピード感のある媒体のため、タイムラインで表示されるのも一瞬かと思います。なかなか手を止めてくれるのも難しいのではないでしょうか。

新宅:ええ。恐らく数ある媒体のなかで最もスワイプが速いのがTwitterだと思います。

 

――:ですよね(笑)。静止画であれば、何となく目に留まったりするのですが、動画となるとユーザーの許容時間を考えても、なかなか見てくれるまでも難しいのかなと思います。

新宅:サムネイルの設定、冒頭の数秒にどういう演出を持ってくるのかが重要になってきます。

 

――:具体的に教えていただければ幸いです。

新宅:そもそもTwitterは、長尺の動画を一度(手を)止めて見るものではありません。他の動画広告には、強制的に見せるものもありますが、Twitterは利用者が能動的に閲覧するものです。そのため、あまり長い間ひとつの場所にとどまってくれることは考えず、短尺、それも10秒以下の動画に設定していただくのが、よりパフォーマンスを発揮することが分かりました。

ここからはデータをお見せしながらご紹介します。こちらのデータは、3月10日~4月27日の期間で約500ツイートを私自身で分析し、11秒以上の動画に対して10秒以下の動画を入稿した場合、どれほどパフォーマンスが違うのかを調査しました。すると、クリックからその後のインストール率が最大で50%以上改善されたのです。理由としては、Twitter上では再生完了率が短いため、その後のクリックにも繋がりやすくなりました。

また、Twitterでは2017年3月9日に広告の仕様を変更しました。Twitterでは“いいね後にアプリをインストール”した場合など、トラッキング情報を取得していますが、じつはタイムライン上でいかに動画が見られても、これまではトラッキング情報は取得していませんでした。

(出典)Twitter社 資料より

 

――:なるほど。

新宅:そこで、3月9日の広告仕様変更により、動画時間のうち50%以上を視聴した場合、トラッキング情報の取得を可能にしました。こうした効果もあり、これまでトラッキング出来なかった利用者も、前述したCVR(Conversion Rate – コンバージョン率)に反映された形になります。

ただ、今回分析をしてみて分かったのが、じつはCPCも安くなったことです。同じく10秒以下の動画を入稿した場合、最大で9%以上も改善しました。

そのため、クライアント様には“いかに再生完了率を上げるか”ということを、意識して伝えるようにしています。再生完了率が上がると、「この動画面白いね」→「じゃあみんなに伝えよう」と、リツイート数の増加・拡散などその後のアクションにも繋がっていきます。そういう好循環により全体のパフォーマンスが良くなっていくのが、Twitterならではの部分になりますね。

(出典)Twitter社 資料より

 

――:それでは、10秒以下の動画が最も適した尺なのでしょうか。

新宅:すべて10秒以下にすればいいという話ではありませんが、短尺でも長尺でも、印象に残るような演出を取り入れるのが重要になるのかなと思います。

 

――:クリエイティブに関しては、既存のPVやTVCMの素材を活用して、それらを再編集する形で活用する事例がほとんどなのでしょうか。

新宅:そうですね。その編集に関しても、利用者のスワイプを止めさせるための施策を考えたり、動画を最後まで見てもらうためにサムネイルを工夫したりするケースもあります。

 

――:もう少し深掘りしてお聞きすると、10秒以下の動画が多いなか、ことクリエイティブの傾向としては、どのようなアプローチがあるのでしょうか。

新宅:現在、本当に様々な種類の成功事例が出てきています。一番は、やはりゲーム画面を含む内容を見せてあげるのが大切です。

※Twitter公式アカウント『アナザーエデン 時空を超える猫

新宅:あとTwitter利用者に関しては、どんな声優さんが起用されているのかも響きます。実際に声優さんに台詞を言わせる短尺動画はTwitterでは多いです。

 

――:声優の名前を列挙するのは、アプリストアのスクリーンショットでも効果の高さが証明されていますよね。

新宅:はい。さらにTwitterでは、静止画や動画だけではなくて、ツイート部分でもテキストを書くことができます。そこに出演する声優さんの名前を#ハッシュタグとして並べるだけという事例も以前に見たことがあります。それだけ利用者の目をひき、ファンの方々が流入してくれる傾向があるということです。

 

――:たしかに。静止画や動画のクリエイティブだけではなく、ツイート部分のテキストも各社奇をてらったテキストだったり、それこそネットスラングを使ったりと、バズを考えた内容にしていますよね。

新宅:Twitterのメリットは、他の動画プラットフォームとは異なり、ツイート部分で上手く補足出来ることです。流れてくるタイムラインの目線でも、まずツイートが来てから、動画が来るため、視聴前にある程度の情報をツイート部分で補足してあげることも出来るのです。

 

独自性の高いクリエイティブで差別化を——

――:ちなみにTwitterのアプリプロモーションは、リリース前後、どのタイミングに各社仕掛けるのでしょうか。

新宅:ほとんどの事業者さんは、リリース前の事前登録から出稿していますね。

 

――:なるほど。事前登録を促したり、公式アカウントをフォローしてもらうために周知したりと、リリース前の取り組みが多いのですね。

新宅:ええ。Twitterを活用して、事前登録サイトに誘致させることもありますが、最近では公式アカウントのフォロワー数を増やすために、「プロモアカウント」を活用するケースもあります。プロモアカウントとは、現在フォローしていないアカウントのなかで、興味を持ちそうなアカウントを利用者にオススメするという広告です。

フォロワー数を増やすことで、純粋にリリース後のインストールを促せるのはもちろん、利用者とコミュニケーションを図ったり、前出し情報をどんどん出したりと、期待値を高めていくことも可能です。リリース前のバズ施策として、もはや主流になってきていますね。

 

――:そしてリリース後は、そこにインストールを目的とした広告を乗せていくのですね。思えば、フォロワー獲得後は運営自らコミュニケーションを図れるのも良いですよね。

新宅:そうですね。本来、運営側と利用者とのコミュニケーションって、ゲーム内のお知らせ程度だと思いますが、Twitterでは直接利用者に伝えて、届けることができるのは強みだと思いますし、ゲーム事業者さん各社もかなり力を入れています。

 

――:まずはジャブとして、ユーザーに周知させることに徹するのが大事ですね。これまではリリース前の施策やインストールを促すための広告活用法でしたが、一方で実際に運営開始後に、キャンペーンやコラボ施策などを周知させる事例はあるのでしょうか。

新宅:あります。現在Twitterでは、タイムライン上にアプリから手軽に生中継のライブ配信を組み込むことが出来ます。これを活用して、実況者などのゲストとコラボレーションして、ゲームで遊びながらアップデートの情報を体験したり、伝えたりして、新規・既存双方に向けてアプローチしているのが増えています。

 

――:そもそも公式アカウントをフォローしているのは、既存ユーザーないしファンなので、そのアカウント上でライブ配信など良質なコンテンツを提供できるのは大きいですね。

新宅:はい。他に有名な動画プラットフォームはありますが、やはりそれに加えてTwitterでは“拡散”出来るのが大きいです。事業者さんは、そこも意識しながらライブ配信などの施策を設計される場合が多いですね。“配信して終わり”ではなく、拡散されることにより、多くのTwitter利用者のタイムラインに食い込めるがTwitterならではだと思っています。それにゲーマー同士は繋がっているので、ゲームに関するリツイートであれば、さらに訴求していく傾向もあると思います。

 

――:動画と静止画以外のクリエイティブについてもうかがえればと思います。ショート形式(6秒間)の動画共有サービス「Vine」が終了しましたが、GIFのような静止画以上、動画未満の少し変わった動きを広告で導入するケースはありますか。

新宅: Twitterはインパクトが大事なので、中途半端な動きだと食いつきにくかったりします。ただ、ブランド系のクライアント様でご活用いただいている事例では、“10秒間でどこが変わったか考えてください”というクイズ形式ものはTwitterでも用いられています。こうしたメッセージ性さえきちんとしていれば、Twitter上でも手を止めてくれると思います。

 

――:ちなみに、IPやジャンルによってそのパフォーマンスも著しく変わっていくのでしょうか。

新宅:先ほどお見せしたデータでは、そもそもIPタイトルはパフォーマンスが良いという前提があるので、そこまで上がり幅が少なかったのが分かります。なかでもマンガ系のタイトルはTwitterとの相性は抜群に良いです。ただ、ゲームは乱立しているため、IPタイトルとはいえど差別化を図らなければ、いずれは苦戦していくと思います。

たとえば、特定のジャンルでは女性キャラクターを全面的に出したほうが、CTR(Click Through Rate – クリック率)が高くなるところを、あえて独自性の高いクリエイティブで差別化を図るのも大切です。ゲーム以外の過去事例では、そうしたセオリーから抜け出たサービスが、独特なクリエイティブでCTRの平均値から4~5倍高い数値を叩き出し、なおかつインストールにも繋がるなど成果を記録したことがあります。

 

――:とくにオリジナルタイトルなんて、まさに差別化を図るべきですね。話は変わりますが、Twitter×動画広告という観点で課題に感じていることはありますか。

新宅:動画広告の成果は、先ほどのようにデータとして明らかに出ているのですが、Twitterと動画の親和性の高さや効果について、まだまだそのイメージを持っているクライアント様が少ないのが現状です。我々としては “まずはトライ”していただき、ご実感いただくのが、一番理解してもらうための近道かなと思っています。

Twitterのモバイルアプリプロモーションは、とにかくバリエーションが豊富にあります。選択肢がたくさんあるぶん、まだ動画広告に届いていないのか、それとも何を組み合わせたらいいのかなど、分からないクライアント様、代理店様が多くいると思います。そこの知識は我々のほうで出向いて話をし、利活用を促進させていかなければなりません。

 

――:では、Twitterで出稿する場合、全体を通して気を配るところはありますか。

新宅:ひとつはリアルタイム性などの季節感です。Twitter利用者は、すごく敏感です。たとえば、いまトレンドに上がっているものをツイートするだけで、やはりアクション率も変わっていくため、今Twitter上で何が盛り上がっているのかを、ある程度把握することが大切です。単純に出稿するのではなく、利用者に愛されるようなソーシャルなインサイト(洞察)や生活者を、きちんと理解し、構成していただくことが求められると思います。

 

――:たしかに。Twitterはライフスタイルに食い込むメディアだと思います。

新宅:ええ。利用者にとっては、生活の一部に近いですからね。

 

――:海外についてはいかがでしょうか。アプリ市場も盛んな北米の活用方法も気になります。

新宅:もちろん北米でもTwitterのモバイルアプリプロモーションは注目されています。それに日本からも海外出稿は可能です。ただ、Twitterにおけるアプリインストールの領域では、世界のなかでも日本がトップクラスです。

 

――:それは一言でいうとユーザー層の違いなんですかね。

新宅:そうですね。北米の利用者は、実名で利用していることが多く、わりとTwitterを真面目に捉えている人が多くいるようです。対して日本の利用者は、Twitterに対してとてもカジュアルな印象を持っています。ツイート量やフォローしているアカウントの多さも随一ですし、気軽にサービスに接していることが分かります。

また、日本の利用者の特徴では、複数アカウントを所持している傾向が多いです。これは海外の利用者と比べても圧倒的な数になります。どうやらゲームはゲーム、スポーツはスポーツなど、趣味ベースで人格を分けながら運用している利用者が多いようです。知り合いの高校生も、アカウントを4~5つ持っています。こうした複数アカウントを使い分けている点をきちんと分析できれば、広告効果を見出すきっかけやビジネスチャンスに繋がるのではないかと期待しています。

 

――:ユーザー母数はもとより、Twitterの機能を網羅し、そのデジタルの世界を存分に楽しんでいる傾向がありそうですね。効果が出やすい土壌だからこそ、事業者もアプローチするべきメディアなのかもしれません。

新宅:手前味噌ではありますが、恐らくほとんどの事業者さんがTwitter広告を一度は使ったことがあると思います。だからこそ我々としては、利用後の成果をキャッチアップし、より良い提案が出来るように努めていきたいと思います。

 

――:それでは、最後に読者に向けてメッセージをいただければ幸いです。

新宅:Twitterの広告効果について、徐々に理解を示してくれる人が多くなってきたのですが、ぜひ今回の動画広告においても、短尺クリエイティブをトライしていただければと思います。CVR50%、CPC9%の改善という成果も出ているため、明日にでもやってみてください。

また、近日リリース予定ですが、カルーセル広告にも動画が表示されるようになります。異なるクライアント様の動画を、横並びでコレクションのように閲覧できます。クライアント様がここに出すという設定が出来るわけではなく、あくまでもアドスロットのひとつとして増える形になります。ぜひ、こちらにもご注目ください。

 

――:本日はありがとうございました。

 

企画・取材・執筆:原孝則、神谷美恵
編集:Active Media編集部

 

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