広告代理店とのパートナーシップはどうあるべきか【A-3 #2】

(左からAppLovinの坂本氏、株式会社ウィキッズの西谷氏、King Japan株式会社の枝廣氏、MZ, Inc.のアルカナ氏)

2017年4月26日、東京・六本木にてスマートフォンゲームのマーケティングイベント「Next Marketing Summit 2017 Spring」が開催された。

「Next Marketing Summit」は今回が初めての開催だが、800人のマーケッターと業界関係者が一同に集う大規模なビジネスイベントとなった。当日開催されたセッションのうち、本稿ではA会場で行われたセッション「黒船襲来! 外資系ゲーム会社が考える日本市場攻略の戦略とは」3回シリーズ(その2)の様子を紹介する。

登壇者は、株式会社ウィキッズの西谷麗氏、King Japan株式会社の枝廣憲氏、MZ, Inc.(旧Machine Zone, Inc.)のアルカナ萌永氏と、外資系ゲーム会社のトップマーケターが登壇し、モデレーターはAppLovinの坂本達夫氏が務めた。

(前回の記事は下記よりご覧ください)

【登壇者情報】
<スピーカー>
西谷 麗 – Ulara Nishitani
株式会社ウィキッズ 代表取締役社長
枝廣 憲 – Ken Edahiro
King Japan株式会社 代表取締役
アルカナ 萌永 – MoéAlkana
MZ, Inc. Marketing Div. Japan Marketing Manager

<モデレーター>
坂本 達夫 – Tatsuo Sakamoto
AppLovin Director Sales, Japan

 

■広告代理店とのパートナーシップはどうあるべきか

坂本:では、次の話題に行きましょうか。皆さんから見て、日本におけるゲームのマーケティングはどのように見えますか。海外の会社と日本企業の違い、外資系ならではの取り組みはあるのでしょうか。

アルカナ:日本は、売上に対するマーケターの人数がかなり少ないな、とは思います。少なすぎるくらいです。また、見ているデータの広さ、深さも違いますね。

坂本:それは、具体的に言うと?

アルカナ:私たちの会社は、マーケティングを投資として捉えています。ですから、当たり前のことですが、自分が投資した金額は何日後に回収しなくてはいけないかをとことん突き詰めていきます。トラッキングツールで取得したデータを、社内の分析にどう取り込むのかということも考えますし、インストールの前と後では、注視すべきKPIはガラリと変わります。

つまりやることがいっぱいあるので、マーケターが1~2人しかいない会社で、膨大なデータを、一体どうやって、どこまで計測して、分析して、回収しているんだろうと疑問に思いますね。CMO(Chief Marketing Officer)のいないことが多い日本の組織は、私にとっては少し不思議な感じがします。

坂本:最近、中国や韓国の会社でも、マーケティング部門のトップが最高責任者として細かいことまで取り仕切るようになってきているんですね。一方、日本は、実質的な意志決定が担当者レベルに任されているという面があります。最高責任者の判断であれば、外部から資金調達するというようなダイナミックな戦略も選択できますが、現場の担当者だけでは予算も制限されていますし、実現できる範囲がすごく狭いですよね。

アルカナ:データの深さという意味では、例えば、代理店から提供されるレポートだけで、契約を継続するかどうかを判断するなんていうことは、私たちはしません。CPI(Cost Per Install : 指定したアプリがインストールされた時に発生する広告費)が安いからといって、投資をしようとは思わないんですね。

CPIは常に変化します。あるパブリッシャー(広告媒体)から流入してきたユーザーが、ボリュームもあって課金額も高いことが予測できて、CPIが5,000円でも十分に回収が見込めるのであれば、私たちはその5,000円を投資するんです。CPIが安いかどうかではなく、それはベンチマークでしかありません。

西谷:まったく同意ですね。そういう意志決定のほうが明確で筋が通っていると思います。体制とシステムとロジックが整備されているから、信頼に足る分析結果を得ることができるし、強気の投資ができる。しかも、1週間分のデータさえあれば、365日後の回収金額が予想できてしまうくらいに作り上げられているし、日々ブラッシュアップして予測精度を上げているわけですよ。

一方、日本の企業はそこまで攻めきれないというシーンがあるんですよね。「あともうちょっと頑張ればいいのに!」と思ったりもしますが、予算がキャッピングされていたり、そこまで精度の高い分析ができていなかったりして、なかなか踏み切れない。

枝廣:マーケティング部門が脆弱だという時は、広告代理店の力を借りるというのも選択肢の1つだと思います。外資系はそういう場面が特に多いかもしれません。新たに進出した国でオフィスを作って、最初のユーザーとなる人たちにタイトルを知ってもらうという時には、やはり代理店さんの価値を感じます。

坂本:なるほど。

枝廣:あともう1つは、データの分析、予測という仕事はやがてAI(人工知能)が担うようになるでしょうね。

西谷:あ、確かに。

枝廣:AppLovinさんのようなメディアなら、全てのメディアごとに追跡ができるじゃないですか。Facebook、Twitter、それ以外の様々なメディアを統合して、1つのプラットフォームとしてAIが分析できるようなサービスは、きっと3年以内に出てくるでしょう。そうなると、マーケッターの仕事はどうなるのか。代理店をパートナーにするメリットは何なのか。今とは全く違う考え方になる時代が来るかもしれません。

西谷:とても重要な意見だと思います。ここにいる皆さん、この枝廣さんの言葉は絶対メモしておいた方がいいですよ!

枝廣:システムから出力されたCSVを手作業で必死に分析すること自体がナンセンスになっていくのかもしれませんね。

坂本:このセッションには、広告代理店の方もいらっしゃるようですから、ここで広告代理店に期待していることについて伺っていきましょうか。

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