エイチーム、2017年7月期は売上高346億で過去最高の売上に 『ヴァルキリーコネクト』を筆頭に既存タイトルが業績に貢献

【決算概要】

 株式会社エイチームは9月8日に2017年7月期の決算を発表した。通期(2016年8月1日~2017年7月31日)の連結業績は売上高346億300万円(前期比50.7%増)、営業利益40億7,700万円(同84.3%増)、経常利益41億1,800万円(同96.6%増)、純利益は25億7,900万円(同99.6%増)となり、4年連続の増収増益で、過去最高の売上と利益を達成した。なお、各セグメントにおいても過去最高の売上を達成している。

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p6

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p7

 5月に本社オフィスおよび大阪オフィスを増床したため、オフィス賃料などの固定費は上昇した。また、ソフトウェア資産の特別損失(減損損失)を計上しており、バランスシート上は無形固定資産が減少した。(後述)

 今回は決算説明会の模様も取材。登壇した役員陣のコメントも合わせて紹介していく。

▲株式会社エイチーム 代表取締役社長 林高生氏

 

【事業状況】

エンターテインメント事業

 スマートフォン向けゲームを展開しているエンターテインメント事業は、セグメント売上192億5,924万円(前期比53.3%増)、セグメント利益は38億2,051万円(同66.3%増)となった。海外売上も過去最高を記録し、セグメント売上に対する比率は26%に上昇している。

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p14

 業績に大きく貢献したのは昨年6月にリリースされた『ヴァルキリーコネクト』で、2017年6月にはApp Storeセールスランキングで最高7位にランクインするなど好調に推移した。また、長寿タイトルとなりつつある『ダービーインパクト』(2013年5月リリース)、『ユニゾンリーグ』(2014年12月リリース)、『三国大戦スマッシュ!』(2015年3月リリース)は運用の効率化により、継続して収益に貢献しているという。

 足下では、『ユニゾンリーグ』が8月17日にPerfect World社のパブリッシングにより、中国本土のApp Storeで配信を開始した。国内でも人気キャラクター「初音ミク」を起用したコラボレーションイベントを開催するなど、未だに根強い人気を博している。

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p16

 一方、2016年12月リリースの最新作『放課後ガールズトライブ』は6月に大規模アップデートを実施したものの、その後App Storeゲームカテゴリのセールスランキング では100位以内にランクインすることができなかった。この状況について、エンターテインメント事業本部長の中内之公氏は「(大規模アップデートによって)KPIは伸びているものの、効果は想定より限定的であり、満足できる結果ではなかった」と話した。

 また、同氏は特別損失としてソフトウェア資産の減損損失2億6,900万円を計上していることにも触れ、「減損対象は『ガルトラ』」であることを明らかにしつつ、同作の投資回収は難しいという見方から、今後は慎重な施策に切り替えていくとした。

▲株式会社エイチーム 取締役 エンターテインメント事業本部長 中内之公氏

ライフスタイルサポート事業

引越し比較・予約サイト「引越し侍」、自動車査定・買取サイト「ナビクル」のほか、ブライダル、金融サービスなど生活に密着したWebサービスを運営するライフスタイルサポート事業は、セグメント売上133億4,254万円(前期比45.1%増)、セグメント利益19億2,911万円(同17.8%増)となった。特に、ブライダル関連サービスの拡充と、クレジットカードや住宅ローンの比較サイトの立ち上げによる利用者数の増加が業績を後押ししているとのこと。

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p17

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p19

EC事業

 自転車専門のECサイト「Cyma(サイマ)」を運営するEC事業は、セグメント売上20億122万円(前期比64.7%増)、セグメント損失1億7,858万円(前期は1億7,253万円の損失)となった。まだ投資段階にある事業だが、既に軌道に乗りつつあり、過去最高のセグメント売上を達成した。

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p20

 

【見通し】

 2018年7月通期の業績予測は、売上高400億円(前期比15.6%増)、営業利益47億円(前期比15.3%増)、経常利益47億円(前期比14.1%増)、当期純利益31億円(前期比20.2%増)を見込んでいる。

(出典)2017年4月期 通期 決算説明資料 p24

 エンターテインメント事業では、『ヴァルキリーコネクト』、『ユニゾンリーグ』などの既存ゲームアプリの効率的な運用と成長余地のある海外での売上拡大に努めながら、新規ゲームアプリの開発に取り組んでいくという。業績は、リリース予定の新規ゲームアプリ(1~2本)は、リリース時のプロモーション費用を十分に織り込みつつ、売上貢献は保守的に予想し、既存ゲームアプリは現時点で想定できる費用を織り込んだ上で、直近のKPI推移を踏まえ、前期比で横ばいと予想。なお、説明会では、新規ゲームアプリの具体的な配信時期への質問も飛んだ。2本目の言及は避けたが、1本目は「現在は上期後半に予定している」とした。

 ライフスタイルサポート事業では、サブセグメントとなる引越し関連事業、自動車関連事業、ブライダル関連事業、金融メディア事業それぞれにおいて、利用者数の増加、利用者1人当たり売上高の向上ならびに利益率の向上を図りながら、サービス間の相互送客・継続顧客の獲得に注力していくとのこと。また、引き続き各サブセグメント事業の周辺サービスを拡充しながら、新たな産業領域におけるサービスの開発に投資を行っていく予定。

 EC事業では、中長期的な成長に向け、黒字化よりもフルフィルメントの強化を優先する予定という。業績については、2017年7月期に開設した神戸の物流拠点を軌道にのせ、出荷のキャパシティ増大に沿った売上拡大を見込み、季節要因等を加味しながら想定可能な範囲内で合理的に予想している。

 なお、エンターテインメント事業では、上期に一部タイトルにおいて、ユーザー層の拡大のための大型プロモーションを実施する可能性があるという。また、ライフスタイルサポート事業及びEC事業はビジネスの特性上、例年第3四半期(2月-4月)が繁忙期であり、下期での収益貢献を上期より多く見込んでいる。


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