VRとマーケティングの親和性は ユーザーのVR体験を可視化した「ダズル」に訊くVR市場の過去・現在・未来

“VR元年”と銘打たれた2016年から早一年。

多くのゲーム企業がVRコンテンツを手掛けている一方、ことマーケティングにおいても、実際に製品化はしないものの、展示会用にVRゲームが制作・発表されることもそう珍しくありません。9月に開催された「東京ゲームショウ2017」の会場を見渡してみても、一般展示ブースでは多くのVRコンテンツが出展されていました。

▲「東京ゲームショウ2017」VRコンテンツ展示の様子

▲「東京ゲームショウ2017」VRコンテンツ展示の様子

こうしたなか、VRサービスの提供を行う株式会社ダズルは、2017年8月7月に、アジア初のVRプロダクトの分析・運用サポートサービス「AccessiVR(アクセシブル)」を正式リリースしました。

AccessiVRは、ユーザーのVR体験を可視化することで、サービスを改善し、目標を達成することをサポートするためのVRグロースハックツールです。視点データをはじめとした様々なVR利用データを取得し、ユーザーのVR体験を可視化するという。

さらに同年9月には、ユーザーのVR体験可視化のひとつとして、ユーザー属性、すなわちデモグラフィックデータの取得も可能になりました。現在取得できるデータは、「性別」と「年齢層」のふたつ。これまでどのようなユーザー層が、どのように遊んでいるのか、KPIを含めて可視化出来てこなかったVRコンテンツにとって、大きな一歩となりました。

「Active Media」では、VR分析サービス「AccessiVR」を開発し、自らもVRコンテンツを手掛けているダズルにインタビューを実施。VR市場の現況はもちろん、VRとマーケティングの結びつきに関してもお話を伺ってきました。

  

拡がるVRを活用したマーケティング

株式会社ダズル
取締役COO
出口 雅也

――:本日はよろしくお願いいたします。8月にVRコンテンツの分析ツール「AccessiVR(アクセシブル)」がローンチされましたが、まずは開発の経緯を教えてください。

出口雅也氏(以下、出口):昨年は「VR元年」と言われ、VR市場が本格的な成長期に入った極めて重要なタイミングとなりました。VR市場は今後スマートフォン市場と同様の成長曲線を描いていくだろうと、私たちは考えています。たとえば、スマホゲームは運営の改善が売上に直結するというビジネスモデルですから、やはりコンテンツ内を分析するためのツールが強く求められるようになりました。VRコンテンツでも同様に、コンテンツ内を深く知るためのツールがやがては求められるだろうと考え、AccessiVRの開発を始めました。

▲[ダズル社提供]AccessiVRの資料より

 

――:VRコンテンツ向けの分析ツールとしては、AccessiVRがアジア初のサービスなのだそうですね。

出口:はい。AccessiVRのような分析ツールがあってこそ、質の高いVRコンテンツが生まれ、市場が活気づいてくるものだと思います。VR市場全体に貢献したいという考えから、できる限り早いタイミングで提供開始を目指して、8月のローンチとなりました。

 

――:確かに、日本のVR市場はまだまだコンテンツを作ってみることに集中している段階かもしれません。本来はその後にサービスをどう改善していくかが重要となりますが、分析ツールがなければ、なかなか改善点も浮かんでこないですからね。

出口:仰るとおりです。最初は「とりあえず作ってみる」ことも大事ですが、VRコンテンツでビジネスを考えている人にとって、やがて必ず分析ツールは必要になるだろうと思って、ニーズに先行して開発に着手しました。

▲[ダズル社提供]AccessiVRの資料より

 

――:8月にローンチしたばかりですが、反響はいかがでしょうか。

出口:お陰様で大きな反響が寄せられています。既に10社ほどトライアル利用のお申込みをいただきました。「こういうツールが欲しかった」という声は本当に多いですね。AccessiVRを使ってみて、何となく肌感でしかなかったものがデータとして取り扱えるようになったり、思いも寄らない発見に繋がったりと重宝されているようです。

 

――:AccessiVRによる分析を通して、VRコンテンツの遊び方で何か傾向は見えてきたのでしょうか。

出口:意外に思われるかもしれませんが、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)を装着した後、何をすればよいのかわからないというユーザーが圧倒的に多いことがわかりました。遊び方の説明はもちろん必要ですが、その前にもっと基本的な操作方法を説明しなければいけないということなんです。まだまだVR体験に慣れていない人が多いのかもしれませんね。

分析機能については、9月にユーザー属性を集計・グラフ化する機能を追加しました。基本的なことですが、男女比や年齢層をしっかり把握して見える化することはやはり重要です。実装したばかりなので具体的な感想や実績はまだないのですが、男性に好まれるコンテンツは何か、年齢によって利用中の視線や活動に違いはあるか、といったことが今後わかってくるのではないでしょうか。今後もまた面白い傾向が発見されるのではと期待しています。

▲[ダズル社提供]AccessiVRの資料より

▲[ダズル社提供]AccessiVRの資料より

▲取得したユーザー属性データの表示

――:スマートフォン向けゲームの開発で実績を重ねてきた企業でもいらっしゃいますが、VR市場に舵を切ったのはどのような理由があったのでしょうか。

出口:スマートフォンゲーム分野では当社は後発という立場でした。既に競争が激しく、自分たちがこの市場で生き残っていくには相当な投資が必要な上、リスクに見合ったリターンが見込めるという状況ではなかったんですね。そういったことから、会社を成長させるためには、我々自身が先駆者になれるような新しい事業に参入すべきだと考えるようになって、それがVR市場に乗り出すきっかけとなりました。

 

――:かなり早い時期からVRコンテンツの制作実績を重ねていらっしゃいますね。

出口:2013年頃から代表の山田(代表取締役CEO 山田泰央 氏)がVRに強く関心を持つようになり、早い時期から将来性を見出していたことが大きいですね。

 

――:そうだったんですね。当初から需要の広がりを強く感じていらっしゃったのでしょうか。

出口:VRに期待を寄せていたものの、そこまでの需要がはっきりと見えていたわけではありません。ですから、こちらからゲーム会社へ企画を提案することもありました。一例としては、スマートフォン向けタイトル『ヴァリアントナイツ』では1周年記念イベントに合わせて、ゲーム内キャラクターが登場するVRコンテンツを開発しました。イベントではVR体験コーナーを設けていただき、キャラクターが目の前にいるという新しい体験をファンの方に楽しんでもらうことができ、大変喜ばれました。

 

――:マーケティング施策としてVRコンテンツを活用する事例も非常に増えてきていますが、ここは外せないというポイントがあれば教えてください。

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