カドカワ、動画サービス「niconico」を主力とするWebサービス事業が減収減益 ゲーム事業は『ゆゆゆい』がスマッシュヒット

【決算概要】

 カドカワ株式会社は11月9日に2018年3月期第2四半期の決算を発表した。第2四半期まで(2017年4月1日~2017年9月30日)の累計連結業績は売上高1,014億7,300万円(前年同期比1.7%増)、営業利益は28億5,800万円(前年同期比35.3%減)、経常利益30億3,900万円(前年同期比24.2%減)、純利益17億4,900万円(前年同期比42.1%減)となった。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p2

 第2四半期の単期業績は、売上高515億3,100万円(前年同期比1.5%増)、営業利益20億6,800万円(前年同期比22.6%増)、経常利益23億9,900万円(前年同期比21.5%増)、純利益17億7,200万円(前年同期比9.6%減)となっている。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p17

 なお、2017年7月にはゲーム情報ポータル事業を新設会社のGzブレインに承継した。Gzブレインの代表取締役社長は元「週刊ファミ通」編集長の浜村弘一氏。

 

【事業状況】

Webサービス事業

 動画サービス「niconico」を主力とするWebサービス事業は、第2四半期までの累計でセグメント売上154億600万円(前年同期比4.2%減)、セグメント利益は3億9,300万円(前年同期比77.4%減)となり、減収減益という結果となった。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p4

 大幅な減益となったのは、有料会員数の減少に加え、「niconico」の新バージョン(く)(読み方:クレッシェンド)の開発費用が先行したためとしている。「niconico」の有料会員数は現在228万人(2017年9月末時点)で、前年同期の256万人から約10%減少している。一方で、チャンネル登録者限定の動画・メルマガ配信サービス「ニコニコチャンネル」の月額有料会員数は増加を続けており、前年同期には56万人だったのに対し、今期は64万人に達した。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p20

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p10

 リアルイベントでは毎年恒例の「ニコニコ超会議」を4月29日・30日に開催し、来場者数は過去最高の15万4,601人だった。また、8月にはアニメソングライブ「Animelo Summer Live 2017 -THE CARD-」があり、こちらも3日間で8万1千人を集客するなど、いずれも好評のうちに終幕した。

 NHN PlayArtとの共同プロジェクトであるスマートフォン向けゲーム『#コンパス 【戦闘摂理解析システム】』はApp Storeゲームカテゴリのセールスランキングで数回トップ10入りするなど好調を維持しており、12月に運営1周年を迎える。周年記念イベントはニコニコ生放送でもライブ配信され、協業の強みを活かした施策となる見込みだ。

出版事業

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p5

 出版事業は、第2四半期までの累計でセグメント売上543億9,900万円(前年同期比1.2%増)、セグメント利益24億円(前年同期比38.2%減)となった。減益の原因は、2020年4月に本稼働を予定している製造・物流一体の最新鋭拠点の準備費用がかさんだ為としている。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p11

 売上は、「うつヌケ」、「女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと」などのノンフィクション分野でのヒット作が続き、「君の名は。」関連書籍が好調だった前年同期とほぼ横ばいに踏みとどまった。電子書籍も好調で、NTTドコモが運営する「dマガジン」から想定を超える収益を得ることができたほか、「BOOK☆WALKER」などの電子書籍ストアでもコミックスの販売が寄与した。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p22

映像・ゲーム事業

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p6

 映像・ゲーム事業は、第2四半期までの累計でセグメント売上230億7,100万円(前年同期比7.0%増)、セグメント利益18億8,900万円(前年同期比44.1%増)となった。映画作品では「ノーゲーム・ノーライフ ゼロ」、「劇場版 Fate/kaleid linerプリズマ☆イリヤ 雪下の誓い」を公開。また、「この素晴らしい世界に祝福を!」「劇場版 艦これ」「幼女戦記」のパッケージ販売が伸び、アニメコンテンツが業績を牽引した。

 ゲームでは、スマートフォン向けゲームタイトル『結城友奈は勇者である 花結いのきらめき』(開発:オルトプラス)、コンソールゲームでは『DARK SOULS III』などが寄与したという。

その他事業

 グッズやCDのネット販売、niconicoから生まれたコンテンツの販売や著作権利用料収入、スクール運営収入等を合わせて、第2四半期までの累計でセグメント売上101億4,000万円(前年同期比2.2%増)、セグメント損失2億1,200万円(前年同期のセグメント損失5億8,700万円)となった。

 教育事業では、オンライン教育を主軸としたN高等学校を運営。生徒数は現在4,313人となっている。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p14

 また、6月には、高速路線バス事業などを手掛けるWILLER社と提携を発表し、訪日外国人観光客に向け、KADOKAWAが保有するIPコンテンツとバスツアーを融合させた商品の開発を進めており、その投資が先行して計上されている。

(出典)2018年3月期 第2四半期 決算説明会資料 p15

 

見通し

 2018年3月期の通期連結業績予測は、売上高2120億(前期比3.1%増)、営業利益58億円(前期比31.1%減)、経常利益62億円(前期比16.3%減)、純利益35億円(前期比39.3%減)を見込んでいる。

 進捗は予定通りと見られるが、主力サービスである「niconico」のリニューアルが今後どのように受け入れられるかが焦点となるだろう。


【関連リンク】

 

 

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