モブキャスト、2017年12月期通期決算を発表 国内外の開発会社と手掛けたタイトルの売上比率が40.4%に伸長 グローバルアライアンス戦略を推進

【決算概要】

 株式会社モブキャストは2月9日に2017年12月期通期及び第4四半期の決算を発表した。第4四半期連結期間(2017年1月1日~12月31日)の業績は、売上高33億200万円(前年同期比6.6%増)、営業損益12億1800万円の赤字(前年同期は2億2200万円の赤字)、経常損益12億4200万円の赤字(前年同期は2億3400万円の赤字)、当期純損失13億4500万円の赤字(前年同期は3億3300万円の赤字)となった。

 売上高は、新規2タイトルの『モバプロ2 レジェンド』(2017年5月配信)、『モバサカ CHAMPIONS MANAGER(以下、『モバサカC』)』(中国版2017年5月、日本版同年9月配信)が寄与し、前年より6.6%増加。一方、2017年配信開始予定タイトルのリリース遅延及び海外共同開発プロジェクトの翌期への繰越しにより、想定売上は未達。さらに新作リリースに伴うロイヤリティ増加、広告宣伝費の投入による費用増加に伴い、赤字幅拡大となった。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p4

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p7

 なお、本稿では決算説明会の模様も取材。

 

【事業状況】

 2017年12月期のモブキャストは、ネイティブゲームの新規タイトルの開発と既存タイトルの運営強化、新規共同開発契約の推進及びブラウザゲームの既存タイトルの運営効率化に取り組んできた。

 新規タイトル『モバプロ2 レジェンド』では、ユーザー数の拡大とそれによる売上増加を目指し2017年8月にテレビCMを実施。さらに、中国Capstone 社と共同で開発を進めていた『モバサカC』は、中国版・日本版共に順調に売上を伸ばしているという。海外展開では、上述の『モバサカC』と同様のスキームによる新規タイトルの開発と配信による売上の拡大を図るべく、共同開発契約締結に向け営業活動を行ったとのこと。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p8

 こうした新規タイトルの寄与により、ネイティブゲームの売上がブラウザゲームの売上を超えた。第4四半期に関しては、売上構成比率がネイティブゲーム64.2%、ブラウザゲーム35.8%とその比率が伸びている。決算説明会に登壇したモブキャスト 代表取締役 藪考樹氏は、通期について「フルにネイティブシフトを行う年になった」と振り返った。

 一方で既存タイトルの運営強化では、『18 キミ ト ツナガル パズル』において、「RE:ゼロから始める異世界生活」をはじめとするアニメIP、声優等とのコラボ施策を毎月実施しゲームの活性化を図った。また、ブラウザゲームの運営効率化については、引き続きマイネットエンターテイメントとの共同で運営を行い、効率的な運営を図っていくとしている。

 費用に関しては、『モバサカC』プロモーション費用として約1億円を投下。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p9

 

【見通し】

 2018年12月期の業績予想は、「適正かつ合理的な数値の算出が困難」として非開示。

 モブキャストは、2018年の新戦略について「グローバルアライアンス戦略へのシフトチェンジ」を掲げている。

 こうした背景には、市場環境の大きな変化と2017年の実績が関係している。まず市場環境では、マーケットの成熟に伴う、世界的なコンテンツのリッチ化による開発費の高騰と開発期間の長期化が問題視されている一方で、2017年までの実績として、国内外のデベロッパーと共に手掛けた共同開発比率が40.4%に伸長しているという。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p12

 国内外で実績あるパートナーと提携することで、同時に複数タイトルを開発できるほか、配信タイトル増加でリスクも分散できるという形だ。また、日本に限らずグローバル配信も見込めて売上拡大に繋がる。何より、デベロッパーと共同負担による開発費負担の軽減でコスト削減を推進できる。今後は人員適正化の結果として、人件費20%削減を見込むとのこと。

 藪氏は、モブキャストの強みについて、「IP取得・監修⼒」「海外パートナーとの実績」「クリエイター ネットワーク」の3つを挙げている。氏いわく、なかでも「中国デベロッパーとのパートナーシップを数年間強化してきた」と強調。共同開発では、IPをフックとした海外パートナーとの新規タイトル開発に努めていくほか、ライセンスインでは、世界各国でヒット実績のあるタイトルのローカライズでさらなるタイトル創出を狙う。

 他方、足元の新規タイトルでは、2018年2月22日に配信開始を予定している『キングダム乱 -天下統一の道-(旧称「Project OK」)』に加え、開発中の「Project LIP」及びライセンスインタイトルの配信開始を予定している。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p15

 なかでも人気アニメ「キングダム」の世界観を存分に体感できるゲームアプリ『キングダム乱 -天下統一の道-』は、ゲームプロデューサー・岡本吉起氏が所属する株式会社でらゲーとの共同開発タイトルだ。岡本氏は、株式会社カプコンで数々の人気タイトルを世に送り出し、ゲームアプリではメガヒットタイトル『モンスターストライク』の開発に携わったベテランクリエイターである。

 2018年2月7日は、プレス向け発表会を開催し、「キングダム」ファンで知られるタレントの小島瑠璃子さんらがゲストとして登場。開催後は、朝の情報番組をはじめ、200媒体以上のメディアに取り上げられる等大きな話題を呼んだ。さらに、SNSを中核とした媒体に効果的なプロモーション施策を推し進めて、事前登録は20万人を突破した。なお、SNSを中核としたプロモーション施策は、今後もネイティブゲームにおいて採用していくという。

 また、2018年は「FIFAワールドカップ」の開催をはじめサッカーの年ということもあり、2本のサッカーゲームを配信予定。ひとつは『モバサカC』のグローバル版(北米・欧州・アジア含む)を2018年春以降順次リリース予定とのこと。また、同作のデベロッパーであるCapstone Gaming社と、新作サッカータイトルをグローバルアライアンスで開発中という。藪氏は上記2本のサッカーゲームについて、「『モバサカC』は中国アプリストアのスポーツカテゴリーで1位を獲得した実績がある」と期待を寄せていた。

 ほか新規タイトルでは、「幽☆遊☆白書」を題材としたマルチプレイ対応のキャラクター育成型アクションRPGを、株式会社エイタロウソフトと共同開発中。「Project LIP」は、過去同社が運営していたパズルゲーム『LUMINES』を活かしたデザインを追求している。さらに、韓国neptuneとパブリッシング契約を締結し、PvPに特化したチェス型モバイルRPG「Rプロジェクト(仮)」を日本市場向けに配信準備中。本プロジェクトは、オンラインRPG『リネージュ2』を開発したコアメンバーを中心に構成されているとのこと。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明資料 p20

 最後に既存タイトルの今期取り組みについて。

 『モバプロ2レジェンド』は、著名選手とのコラボが好調とのことで、継続して売上拡大を目指すとしている。『モバサカC』は、日本版・中国版共に成長過程としながらも、日本版は新規機能追加で売上拡大を目指すという。そして、『18 キミト ツナガル パズル』では、引き続き人気IPとのコラボを実施していくとのこと。


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