カヤック、2017年12月期通期は売上・利益共に過去最高を更新 新規タイトルの本格寄与は2018年以降に

【決算概要】

 株式会社カヤックは2月14日に2017年12月期通期及び第4四半期の決算を発表した。2017年12月期通期の累計連結業績(2017年1月1日~2017年12月31日)は、売上高60億8704万円(前年同期比10.7%増)、営業利益6億7535万円(前年同期比5.0%増)、経常利益7億3763万円(前年同期比7.4%増)、当期純利益5億746万円(前年同期比6.3%増)と、売上・利益ともに過去最高を更新した。

 第4四半期だけで見ると、売上高17億3600万円(前年同期比9.0%増)、営業利益は8800万円(前年同期比72.8%減)と、減益になったものの、四半期最高の売上を記録。営業利益率の低下は、ゲーム新規タイトルへの先行投資(開発費)により粗利益率が低下したことが挙げられる。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p6

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p9

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p11

 

【事業状況】

 カヤックは、大きく分けてソーシャルゲーム事業、Lobi事業、クライアントワーク事業、その他のサービスの4つの事業からなる。以下、第4四半期における事業別の概況について紹介。

 ソーシャルゲーム事業では、「共闘スポーツRPG」を軸にしたタイトルを展開しており、『ぼくらの甲子園!』シリーズの最新作となる『ぼくらの甲子園!ポケット』が順調に推移している。現在は組織を拡充し、新規開発ラインに積極的に投資を行う中で、事業規模の拡大を図っているという。

 新規タイトルでは、2017年12月に世界で1億ダウンロードを突破した、ミリタリーガンシューティングゲームファンから圧倒的な人気を誇る「モダコン」シリーズの最新作『モダンコンバット Versus』を配信開始。さらに、2018年2月に同社が開発を務めた『機動戦士ガンダム即応戦線』(提供:バンダイナムコエンターテインメント)を配信開始した。双方とも対戦が主軸のesportsタイトルとして運営されているが、業績に寄与するのは2018年12月期通以降となる。

 他方、カヤック初のコンシューマゲーム『RXN -雷神-』を2017年12 月にNintendo Switchで発売。開発をグループ会社のガルチ、パブリッシュをカヤックが担当している。結果は、目標の販売本数未達となった。しかし、同社発表のおまけ短信では、今回のプロジェクトを通じて、「コンシューマゲームにおける知見を得ることが出来た」とコメントし、今後も同事業にチャレンジし続けていくという。

 ソーシャルゲーム事業の累計連結業績では、売上高30億8719万円(前年同期比0.7%減)となった。第4四半期単体で見ると、前四半期比19.2%増の8億6600万円だった。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p25

 Lobi事業では、「Lobi」というスマートフォンゲームに特化したコミュニティ事業を進めている。現在同事業は、コミュニティに適した機能の拡充に努め、「Lobi」と連携するタイトル数を積極的に増加させる中でユーザー数の拡大を図っているという。その中で、「Lobi」の強みであるユーザーやコミュニティにより焦点を当てた収益構造(ビジネスモデル)への転換を計画。

 この結果、Lobi関連の売上高は、4億4627万円(前年同期比33.5%減)となった。体制の整う今期下期以降からは上昇トレンドに戻る予定という。なお、賞品提供や大会主催者支援を行うサービス「Lobi Tournament」では、重要KPIである“トーナメント大会開催数”が着実に伸びていることを明かした。複数の人気対戦ゲームの公式大会及び公認大会でも採用され、今後はLobiと子会社ウェルプレイドとチーム一丸となり、esportsに取り組んでいくとのこと。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p29

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p32

 クライアントワーク事業では、スマートフォンの普及や新しい技術の出現を背景に、WEB領域にとどまらないリアルと連動した案件の増加が見られているという。その中で、積極的に業務提携を進め、VRを利用した案件等の新しい取り組みを行い事業領域の拡大を図っているとのこと。

 直近では、株式会社ポケモンが配信するスマートスピーカーコンテンツ『ピカチュウトーク』のプランニング、設計、開発をカヤックが担当。ピカチュウとの会話を楽しむことができる本コンテンツだが、スマートスピーカーの上陸に合わせて、いち早く開発した。

 また、プラズマ乳酸菌配合「iMUSE」の認知拡大のため、バブル期に社会現象となったトレンディドラマの“あるある”を盛り込んだWebムービー、「トレンディの法則」を企画・制作し、公開から2週間で800万再生を記録。Webでの盛り上がりにとどまらず、「めざましテレビ」や「Nスタ」等、多くのテレビ番組でも取り上げられた。

 この結果、クライアントワーク事業の累計連結業績では、売上高17億7336万円(前年同期比25.5%増)となった。第4四半期単体で見ると、売上高5億4800万円と四半期売上の過去最高を大きく更新した。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p20

 その他サービスでは、ゲーム音楽のプロオーケストラ「JAGMO」による公演を開催。また、「プラコレWedding」等の新規サービスも順調に成長を続けている。さらには、e-sports事業を営むウェルプレイドの子会社化により、グループ全体としてゲーム周辺領域のさらなる拡充を図ったという。その他サービス関連の累計連結業績では、売上高7億8020万円(前年同期比155.7%増)となった。

 

【見通し】

 2018年12月通期の連結業績予測は、売上高73億円(前年同期比19.9%増)、営業利益8億5000万円(前年同期比25.9%増)、経常利益8億8000万円(前年同期比19.3%増)、当期純利益6億円(前年同期比18.2%増)を見込んでいる。売上高・営業利益ともに、上場した2014年からの5年間で年平均成長率(CAGR)が25%を超えている。

 ソーシャルゲーム事業の売上高は前年同期比29.6%増の40億円と策定。全体としては、広告宣伝費率が10%程度で策定している。各種KPIの状況によっては、上乗せする可能性があるとのこと。また、営業利益率10%を確保できる水準で、新規タイトルや新規サービスへの投資を行う予定という。

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p38

(出典)2017年12月期 第4四半期 決算説明会資料 p27

 今後もカヤックは、ソーシャルゲーム(コンテンツ)、Lobi(コミュニティ)、クライアントワーク(広告)という主要領域である3サービス及びその周辺事業を充実化。引き続き、この事業領域を重点分野と捉え成長させていくとのこと。


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