ミクシィ、2018年3月期決算は売上未達に 『モンスト』IPを活用した新作ゲームの開発等も進行

【決算概要】

 株式会社ミクシィは、5月10日に2018年3月期決算を発表した。2018年3月期(2017年4月1日~2018年3月31日)の累計連結業績は売上高1890億9,400万円(前年同期比8.7%減)、営業利益は723億5,900万円(前年同期比18.7%減)、経常利益は727億1,700万円(前年同期比17.8%減)、純利益は417億8,800万円(同30.2%減)となった。業績予想に対し利益が上回って着地した一方、売上は未達に。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p4

 第4四半期の単期業績(2018年1月1日~3月31日)は、売上高536億5,800万円(前年同期比16.4%減)、営業利益245億100万円(前年同期比24.6%減)、経常利益245億1,100万円(前年同期比24.3%減)、純利益166億6,200万円(前年同期比20.7%減)と減収減益となった。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p5

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p48

 

【事業状況】

エンターテインメント事業

 スマートフォン向けゲーム『モンスターストライク(以下、モンスト)』を主力とするエンターテインメント事業は、2018年3月期決算累計でセグメント売上1759億4,800万円(前連結会計年度比8.7%減)、セグメント利益は784億3,800万円(前連結会計年度比16.8%減)となった。

 『モンスト』は、国内外でTVCMや屋外広告等のプロモーション、eスポーツ促進を含むリアルイベントの実施、グッズの製作、映画や人気アニメとのタイアップ、オリジナルアニメの配信や劇場版公開などに加え、2017年5月にはグッズ販売等を行う常設店舗を東京・渋谷にオープン。ゲーム利用者数は2018年3月には全世界で4,500万人を突破した。

 第4四半期のトピックスでは、1月に「モンスト年末年始キャンペーン‘17-‘18」を実施。2017年12月31日(日)の大みそかに、渋谷モディ周辺エリアにてカウントダウンイベントを開催したり、「賞金総額 4 億円 モンスト BINGO」を実施したりと、話題性のある施策を展開していた。

 そのほか、ユーザー還元施策として、2018年2月10日(土)・11日(日)に開催された「闘会議2018」において、「モンストグランプリ2018闘会議CUP決勝大会」を実施。『モンスト』史上初となるプロライセンスを発行し、次のeスポーツ大会の発表も行われた。また、ゲーム内の新キャラクターを記念した特別番組として、YouTube Live、Twitter Live、BSスカパーで「歌詞再現カラオケバトル 激・モン楽祭」(3月9日・10日放送)を生配信。『モンスト』アプリ上から結果を予想し、予想的中者に総額3億円相当の賞品が当たった。

メディアプラットフォーム事業

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p10

 SNSの「mixi」、求人情報サービス「Find Job!」など生活に密着したWebサービスを運営するメディアプラットフォーム事業は、2018年3月期決算累計でセグメント売上131億4,600万円(前連結会計年度比9.1%減)、セグメント利益15億6,400万円(前連結会計年度比13.4%減)となった。

 メディアプラットフォーム事業では、B2C及びC2Cサービスにおいて新しい文化を創るサービスを生み出し続けることを目指している。家族向け写真・動画共有アプリ「家族アルバム みてね」では、2017年10月には利用者が200万人を突破、同年7月より英語対応も開始。新規事業の立ち上げを加速すべく先行投資を実施している。

 一方チケットフリマサービス「チケットキャンプ」については、2017年12月7日(木)に業務を完全に停止し、2018年5月31日(木)をもってサービス提供を終了する。これにより、当連結会計年度において、のれん償却費75億9,700万円、固定資産の減損損失1億3,100万円を特別損失として計上。なお、セグメント利益は営業利益ベースの数値(EBITDA)であるため、影響はない。

 

【見通し】

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p41

 2019年3月通期の業績予測は、売上高1,750億円(前年同期比7.5%減)、営業利益480億円(前年同期比33.7%減)、経常利益480億円(前年同期比34.0%減)、当期純利益310億円(前年同期比25.8%減)を見込んでいる。将来の収益拡大への種まきを行う一方、連結売上高は国内『モンスト』の売上を保守的に織り込んだ結果。

 エンターテインメント領域においては、サービス開始5年目となった『モンスト』をより多くのユーザーに長く愛される国民的コンテンツへと育てていくための取り組みとして、ゲーム自体の特長でもある友人との協力プレイの更なる強化、プレイ環境を変えていくようなアップデート、アニメ・劇場版とのゲーム連動、世間の話題となるようなマーケティング企画やマーチャンダイジング、『モンスト』IPを活用した新作ゲームタイトルの開発等を進めていくとしている。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p32

 また、別途新規ゲームタイトルの開発を進めていくほか、アニメ等を通じて新規ヒットタイトルの創出も進行。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p36

 メディア領域では、新しいコミュニケーションサービスを生み出していくこと、既存サービスにおいてもエンターテインメント領域で培ったバイラルコミュニケーション設計力を活かしていくことで更なる拡大を図っていくという。さらに、新規領域としてスポーツ・ウェルネスといった領域にも進出し、メディア領域同様、同社の強みを活かした事業展開を図っていくとのこと。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p38

 2018年6月開催予定の同社定時株主総会終了時に、代表取締役社長森田仁基氏が任期満了により退任することに伴い、同社取締役である木村こうき氏が代表取締役に就任する。決算説明会当日は、次期代表の木村氏が発表を行い、同時に今後の経営方針について語った。

 経営方針として、木村氏は「今我々に必要なことは、“得意領域に経営資源を集中させる”」と述べた。実行に向けてのポイントは、①事業ドメインの定義、②体制の再構築。

 同社の事業ドメインの定義は、ずばりコミュニケーションサービス。たとえば、『モンスト』と「mixi」のヒットは、一見してバラバラの事象かもしれないが、ふたつの事業の共通点は、コミュニケーションサービスであることだ。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p20

 両事業の実績MAUを見て分かる通り、綺麗な指数カーブを描いている。こうした推移の背景には、木村氏いわく「バイラルコミュニケーションが無ければ起こらない」と述べ、友人・知人間の“バイラルコミュニケーション”を隆起させやすい領域で事業展開していくことを明らかにした。同施策は狙って起こすことが困難とされるが、ミクシィはサービスを“紹介したくなる(しやすい)”ノウハウを備えているという。

 事業ドメインの定義「バイラルコミュニケーション」の設計は、ライブエクスペリエンス、メディア、デジタルエンターテインメント、スポーツ、ウェルネスという5領域を選択し、経営資源を集中していくとのことだ。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p25


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