DeNA、2018年3月期は任天堂との協業タイトルや内製・協業アプリを中心にユーザ消費額が拡大 新たな柱の構築も

【決算概要】
 株式会社ディー・エヌ・エーは5月10日に2018年3月期の決算を発表した。2018年3月期の累計連結業績(2017年4月1日~2018年3月31日)は売上高1393億9,000万円(前年同期比3.1%減)、営業利益275億300万円(前年同期比18.7%増)、税引前利益303億9,000万円(前年同期比18.6%増)、純利益229億8,100万円(前年同期比25.4%減)となった。

 第4四半期の単期業績は、売上高333億円(前年同期比5%減)、営業利益13億円(前年同期比72%減)、税引前利益12億円(前年同期比74%減)、純利益2億円(前年同期比90%減)。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p3

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p4

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p5

【事業状況】

ゲーム事業

 スマートフォン向けゲームの開発・運営、プラットフォームサービス「Mobage(モバゲー)」を提供しているゲーム事業は、2018年3月期累計でセグメント売上979億7,000万円(前年同期比3.4%減)、セグメント利益は251億1,700万円(前年同期比12.2%減)となった。

国内ブラウザタイトルのユーザ消費額は、前連結会計年度比で減少したものの、グローバルでのアプリタイトルにおけるユーザ消費額は、国内既存タイトルの堅調な推移や、任天堂との協業タイトルの貢献などにより、前連結会計年度比で増加。一方、費用面では、アプリタイトルの運用体制強化などに伴い、販売促進費・広告宣伝費や業務委託費が増加した。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p6

 なかでも任天堂との協業タイトルである『Super Mario Run』『Fire Emblem Heroes』は概ね好調だった。『Super Mario Run』は配信から1年以上が経過した今も、月間アクティブユーザ数が2000万人前後を維持し、グローバルに幅広いユーザに楽しまれている。

2018年2月で配信1周年を迎えた『Fire Emblem Heroes』は、アクティブユーザ数も維持・拡大し、収益面を含め、順調に推移。売上高の海外比率が徐々に向上している点もトピックだ。2017年11月に配信を開始した『どうぶつの森 ポケットキャンプ』は、ゲーム内容の追加などの継続的なアップデートや、イベント施策を実施し、日本国内ではテレビCMの放映も開始。

 なお、『ファイナルファンタジーレコードキーパー』(スクウェア・エニックス)や『逆転オセロニア』など、既存の主力内製・協業アプリは着実な運用による積み上げを行っている。

EC事業

 旅行代理店サービス「DeNAトラベル」、決済代行サービス「ペイジェント」などを展開するEC事業は、2018年3月期累計でセグメント売上160億5,000万円(前年同期比16.3%減)、セグメント利益は4億8,400万円(前年同期比77.3%減)となった。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p8

決済代行サービスにおいては取扱高が堅調に推移した一方で、旅行代理店サービスでは、子会社のDeNAトラベルで判明した2017年3月期以前における一部取引に係る原価計上漏れなどの修正を当連結会計年度において行ったほか、オークションサービスでは利用が減少。なお、2016年12月に「DeNAショッピング」及び「auショッピングモール」の名称で運営してきた事業を譲渡している。

スポーツ事業

 プロ野球球団・横浜DeNAベイスターズを運営するスポーツ事業では、2018年3月期累計でセグメント売上168億8,500万円(前年同期比22.7%増)、セグメント利益は18億2,200万円(前年同期比66.2%増)となった。横浜DeNAベイスターズは、主催試合の入場者数増加や日本シリーズ進出などにより、好調に推移。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p9

新規事業

 新規事業では、IP創出プラットフォーム事業、ヘルスケア事業、オートモーティブ事業、ネットサービスインキュベーション事業など、中長期での事業ポートフォリオの強化を目指した各種取り組みが該当。2018年3月期累計では、セグメント売上94億1,600万円(前年同期比9.8%減)、セグメント損失は54億8,500万円(前年同期は49億9,400万円の損失)となった。

【見通し】
 2019年3月期通期の業績予想は、売上収益1500億円(前年同期比7.6%増)、営業利益
155億円(前年同期比43.6%減)、当期純利益110億円(前年同期比52.1%減)を見込んでいる。

(出典)2018年3月期 決算説明会資料 p27

売上収益は、ゲーム事業や新規事業・その他などを中心に前年同期比で増収を見込んでいる。営業利益は、前年同期比において海外子会社清算完了に伴い106億5,600万円をその他の収益に計上した影響がなくなることが主な減益要因とのこと。

なお、2018年度の方針では、主力のゲーム事業における健全な収益性を確保し、タクシー配車アプリ「タクベル」やヘルスケア型保険、ソーシャルLIVEに先行投資を積極化、新たな柱を構築していくという。

ゲーム事業の“健全な収益性の確保”に関しては、トップラインに応じた適切な費用のコントロールを行い、前年同等以上の利益水準を確保。国内では、既存有力タイトルの強化と新規タイトルの投入に引き続き取り組んでいくとのこと。また海外向けでは、任天堂との業務・資本提携に基づくタイトルの展開や、中国市場における有力IPを用いたタイトルの展開など、外部パートナーとの協業タイトルを主軸とした取り組みを進めていく。

発表済みのタイトルでは、任天堂との協業タイトルとして『Mario Kart Tour』の配信を2018年度に予定。また、プラチナゲームズとの共同開発タイトルとして、スマートフォン向けアクションゲーム『World of Demons』を2018年夏に配信予定だ。

なお、従来同社は四半期毎の業績発表時に翌四半期の業績見通しを公表してきたが、2019年3月期より、通期での業績予想に変更。主力のゲーム事業の昨今の動向、スポーツ事業における季節性、今後の新規事業領域での投資計画に鑑み、通期での業績予想の提示がより投資判断に資すると判断したためとしている。

【関連リンク】

2018年3月期 決算説明資料

2018年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)

 

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