イグニス、第3四半期は大幅な減収減益に ネイティブゲーム事業の強化を目的に新たな開発スタジオを設立

【決算概要】

 株式会社イグニスは8月10日に2018年9月期第3四半期の決算を発表した。第3四半期までの累計連結業績(2017年10月1日~2018年6月30日)は、売上高36億3,600万円(前年同期比11.5%減)、営業損益9億5,100万円の赤字(前年同期は1億2,300万円の黒字)、経常損益9億7,900万円の赤字(前年同期は1億1,200万円の黒字)、純損益10億8,300万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)となった。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p5

 なお、第3四半期単期(2018年4月1日~2018年6月30日)では、売上高11億6,600万円(前年同期比8.9%減)、営業損益2億8,400万円の赤字(前年同期は7,100万円の赤字)、経常損益3億500万円の赤字(前年同期は7,200万円の赤字)、純損益2億2,800万円(前年同期は8,100万円の赤字)となっている。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p6

 

【事業状況】

 スマートフォン向けゲームを開発・運営するネイティブゲーム事業と、オンライン恋愛・婚活サービス『with』を提供するコミュニティ事業を収益の柱としつつ、VR、医療、AI(人工知能)などの新分野へ積極的な投資を進めている。今期の売上構成比はネイティブゲーム事業が60.2%、コミュニティ事業が32.2%、その他事業が7.7%となっており、前年同期と比べると主力のネイティブゲーム事業の占める割合が大幅に低下し、事業ポートフォリオが計画的に推移していることが見て取れる。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p7

ネイティブゲーム事業

 スマートフォン向けRPG『ぼくとドラゴン』などを運営するネイティブゲーム事業は、セグメント売上21億8,788万円(前年同期比32.6%減)となった。主力タイトル『ぼくとドラゴン』は運営4年目に突入し、最近はApp Storeゲームカテゴリのセールスランキングで30位に入るなど、今もなお好調を維持している。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p31

 第3四半期中は人気コミック『進撃の巨人』とのコラボキャンペーンを実施したほか、ドコモのフードデリバリーサービス「dデリバリー」ともコラボレーションを行った。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p30

 なお、今年3月28日にリリースした新作ゲームアプリ『メガスマッシュ』は、継続率および課金率の改善が思うように進まなかったことから、7月18日にサービスを終了している。

コミュニティ事業

 オンライン恋愛・婚活サービス『with』を運営するコミュニティ事業は、セグメント売上が11億7,027万円、前年同期比110%増の大幅な成長を記録した。『with』の利用者数は急速に増加しており、今年5月には100万人を突破。積極的なプロモーションと口コミによる流入が大きいという。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p26

 App Annieの調査によれば、「2017年国内マッチングアプリダウンロードランキング」で5位、また「2017年国内・非ゲームアプリ収益ランキング」では30位にランクインした。今後はユーザービリティの改善、マッチング精度の向上などに注力するとしている。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p28

VR事業

 新規事業として重視されているVR事業は、エンターテインメント分野と医療分野での活用を推進している。エンターテインメント分野では、リアルアイドル市場と二次元アイドル市場の両方を取り込むことのできるプラットフォームとして「INSPIX」を開発。

 VR空間上でライブを開催・体験することができ、自宅で手軽にライブを楽しめるという。すでに岩本町芸能社と協業し、VRアイドル「えのぐ」のライブイベントで「INSPIX」が活用されるなど、実績を積み重ねている。一方、医療分野では順天堂大学との共同研究を開始した。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p19

AI活用

 もう一つ注力している新規事業としては、AI技術を活用した工場での検査工程の自動化がある。製造業の検査工程では機械による自動化が進んでいないことから、愛知県豊田市内の自動車部品メーカーと提携し、AIによる検査工程の自動化によって生産性向上を目指すとしている。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p23

その他事業

 上記以外の事業、サービスではWebメディア「U-NOTE」、日本最大級のフードトラック・プラットフォーム「TLUNCH」などを運営しており、それらを合わせたセグメント売上は2億7,883万円(前年同期比8.5%減)となった。

 

【見通し】

 2018年9月期通期の連結業績予想は売上高のみ公表しており、44億円(前期比21.1%減)としている。直近では、ネイティブゲーム事業の強化を目的に、新たな開発スタジオとなる株式会社ラップランドの設立を発表した。『ぼくとドラゴン』の開発・運営を行う子会社のスタジオキングとは別に、コンセプトの異なるタイトルを開発していくとしている。同社の代表取締役社長は、イグニスの代表取締役CTOである鈴木貴明氏。

(出典)2018年9月期 第3四半期 決算説明会資料 p13


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