グリー、2019年6月期第1四半期は売上高181億円 好調のオリジナルIPの長期育成を主軸に施策展開

【決算概要】

 グリー株式会社は1026日に20196月期第1四半期の決算を発表した。第1四半期(201871日~930日)の業績は、売上高1815,700万円(前年同期比16.0%減)、営業利益161,600万円(前年同期比40.0%減)、経常利益216,600万円(前年同期比28.2%減)、純利益208,300万円(前年同期比9.4%増)となった。なお、増益は関係会社の株式売却によると特別利益101,200万円によるところが大きい。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p5

【事業状況】

■モバイルゲーム分野

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p13

 モバイルゲームの国内コイン消費は前年同期比14.2%減だった。昨年第1四半期は『SINoALICE』『アナザーエデン 時空を超える猫』がリリース直後から売上に大きく寄与したのに対し、今期第1四半期の減収はその反動によるものとしている。

 新作は『ワイルドアームズ ミリオンメモリーズ』が926日にリリースされたが、第1四半期の末だったために業績への寄与は第2四半期以降へとずれ込んでいる。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p14

 『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか~メモリア・フレーゼ~(以下、ダンメモ)』『戦姫絶唱シンフォギアXD』(どちらも20176月リリース)、『NEWSに恋して』(20183月リリース)、『ぷちぐるラブライブ!』(20184月リリース)など、最近は他社IPを起用したゲームのリリースが続いている。

 いずれも大ヒットとはいかないが、セールスランキングは安定的に推移しており、リアルイベントやゲーム内イベントでファンコミュニティを拡大する施策が講じられた。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p17

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p16

 また、足下では『ダンメモ』は1025日に韓国語版の配信を開始し、海外ファンにも手を伸ばしている。最新作の『ワイルドアームズ ミリオンメモリーズ』はリリース1ヶ月が経過したが、すでにダウンロードランキングで低迷が見られ、今後は原作ファンを早期にどれだけ取り込めるかが鍵になる。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p18

 一方、オリジナルタイトルの『消滅都市』『アナザーエデン 時空を超える猫』『SINoALICE』はセールスランキング上位に度々ランクインし、現在も人気を維持している。今期はIPの長期育成を主軸に、『消滅都市』では2019年にTVアニメ化が決定、『SINoALICE』も初のTVCMを放映し、認知度向上と新たなファンの獲得を図られた。『アナザーエデン 時空を超える猫』は運営1周年を記念してコラボカフェを開催、グッズも多数発売された。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p15

 なお、同作についてはガチャの再抽選プログラムに関する問題で918日から104日まで課金を停止した。グリーの調査報告によれば、10連ガチャの結果において同一のキャラクターが4体以上重複した場合に自動的に再抽選が行われるというプログラムが実装されていたという。

 運営期間中の排出実績は、予めゲーム内で表記されていた排出確率とほぼ差異の無かったことが判明したが、グリーは全ユーザーに対して10連ガチャ10回分の有償アイテムを配布した。以降、本件によるセールスへの直接的な影響は見られないが、ゲーム運営におけるガチャの取扱いはこれからも業界全体の課題となるだろう。

 その他タイトルではLINENintendo Switchなどプラットフォームを越えた展開が行われた。スマートフォン向けゲームがコンシューマー向けへ進出するケースは他にCygamesの『グランブルーファンタジー』などが挙げられるが、ファン層や課金体系が異なるため、その可能性は未知数な部分が多い。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p20

VTuber分野

 グリーは今年4月にVTuber市場への参入を発表し、VTuberのマネジメントおよび動画番組の制作・配信を行う子会社Wright Flyer Live Entertainmentを設立した。

 Wright Flyer Live Entertainment8月にVTuber専用ライブ配信プラットフォーム「REALITY」をリリースしている。また、KING RECORDSやオトメイト(アイディアファクトリーの女性向けゲームブランド)など有力企業との協業も発表しており、VTuber市場でのグリーの展開が注目される。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p21

【見通し】

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p9

 20196月期の通期業績予想は、売上高3515,700万円~3615,700万円(前期比14.4%減~12.0%減)、営業利益261,600万円~311,600万円(前期比48.0%減~38.1%減)、経常利益316,600万円~366,600万円(前期比44.5%減~35.7%減)、当期純利益258,300万円~308,300万円(前期比33.6%減~20.8%減)としている。幅はあるが、減収減益の見込みだ。

 人気タイトルを中心に欧米、韓国・台湾、中国への海外展開を準備しており、『SINoALICE』は年内にも台湾、香港、マカオでの配信を開始する。パブリッシャーは台湾のKOMOE Technology Limited

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p19

 新作パイプラインは、今期中は1本のみでやや控えめな印象。既存タイトルの運営強化に重点が置かれているようだ。

(出典)2019年6月期 第1四半期 決算説明会資料 p12


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