任天堂、引き続きNintendo Switch好調で増収増益 Cygamesとの共同タイトル『ドラガリアロスト』の売上は40億円に迫る規模

【決算概要】

 任天堂株式会社が10月30日に発表した2019年3月期第2四半期の連結業績(2018年4月1日~9月30日まで)は、売上高3,889億500万円(前年同期比4.0%増)、営業利益614億500万円(前年同期比53.7%増)、経常利益919億3,100万円(前年同期比32.1%増)、四半期純利益645億7,600万円(前年同期比25.4%増)と増収増益となった。なお、売上高のうち海外売上高は3,024億円と、比率77.8%を占める。

 第2四半期(2018年7月1日~9月30日)単体で見ると、売上高2,207億円、営業利益308億円、経常利益480億円、四半期純利益337億円だった。引き続きNintendo Switchを中心としたハードウェアが好調な売れ行きとなった。

 

【事業状況】

 はじめにNintendo Switchの状況から。ハードウェアは順調に普及が進み、販売台数は507万台(前年同期比3.7%増)となった。

 ソフトウェアでは、5月に発売した『ドンキーコング トロピカルフリーズ』が167万本、6月に発売した『マリオテニス エース』が216万本の販売を記録したほか、前期までに発売済みの人気タイトルやソフトメーカーのタイトルも好調に販売を伸ばし、当期のミリオンセラータイトル数はソフトメーカーのタイトルを含めて9タイトルに。結果、ソフトウェアの販売本数は4,213万本(前年同期比91.3%増)となった。

 一方、発売から8年目を迎えたニンテンドー3DSでは、7月に『進め!キノピオ隊長』を、8月に『メイド イン ワリオ ゴージャス』を発売したが、ハードウェアの販売台数は100万台(前年同期比65.1%減)、ソフトウェアの販売本数は627万本(前年同期比54.6%減)に。

 その他、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」及び「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」は合計369万台の販売となった。

 ゲーム専用機におけるデジタルビジネスでは、主にNintendo Switchのパッケージ併売ソフトや追加コンテンツ等による売上が順調に伸び、デジタル売上高は391億円(前年同期比71.7%増)と過去最高に。なかでもNintendo Switch向けのソフトウェアの販売数量が伸びると共に、ダウンロード版を購入するユーザーが増加したことで、デジタル売上高が押し上げられている。内訳は、パッケージソフトウェアのダウンロード版がデジタル売上高全体の約6割を占めているが、この比率自体は昨年と変わっておらず、ダウンロード専用ソフトや追加コンテンツも販売を伸ばしているといえる。

(出典)2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料 p5

 スマートデバイスビジネスでは、2018年9月27日に日本、台湾、香港、マカオ、米国でサービスを開始した『ドラガリアロスト』(開発:Cygames)が、多くのユーザーから支持され、順調な滑り出しとなった。また前期までに配信した『スーパーマリオ ラン』や『ファイアーエムブレム ヒーローズ』、『どうぶつの森 ポケットキャンプ』はそれぞれ安定した人気を維持しており、スマートデバイス・IP関連収入等の売上高は187億円(前年同期比4.7%増)となった。

 配信から間もなく2年が経過する『スーパーマリオ ラン』は、引き続きダウンロード数が伸びており、世界中で3億近くの端末にダウンロードされている。国外でのダウンロードは引き続き、全体の9割を超えている。スマートデバイスを持っている方に向けた、任天堂の“安心して遊べる定番タイトルのひとつ”として、毎月安定的に一定規模の新規ダウンロードが行われるサイクルに入っているうえ、従来ゲーム専用機ビジネスを行っていなかった国や地域の幅広い層のユーザーに、マリオのゲームを届けられるという意味でも、任天堂IPに触れる人口の最大化に向けて、引き続き、重要な役目を担っている。

 『ファイアーエムブレム ヒーローズ』は、引き続き、アクティブユーザー数を維持し、累計の売上高もペースを落とさずに、継続的に伸び続けている。なかでも海外シェアは徐々に拡大が進んでおり、現在の同作のアクティブユーザーは、すでに国内のユーザーよりも海外のユーザーの方が多い状況とのこと。スマートデバイスでの継続したアプリ運営が、海外市場の開拓に繋がる一例になっている。また、年末にかけてVer.3.0となるメジャーアップデートを計画しており、より多くのユーザーに継続して楽しんでもらえるよう、今後も開発と運営に力を入れて取り組んでいくという。

 そして、配信開始から約1 年が経過した『どうぶつの森 ポケットキャンプ』は、昨年の配信開始当初から継続して遊んでいた方が現在のアクティブユーザーの半数以上を占めており、成年女性を中心に持続してアクティブユーザー数が維持できている状況。また、ゲーム内容の継続的な改善や、様々なイベントの開催により、運営状況は徐々に上向いてきているとのこと。現在は、遊びの幅を拡張できるようなアップデートの開発を進めているようだ。

(出典)2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料 p17

【見通し】

 2019年3月期の業績予想については、売上高が1兆2,000億円(前年同期比13.7%増)、営業利益2,250億円(前年同期比26.7%増)、経常利益2,300億円(前年同期比15.4%増)、当期純利益が1,650億円(前年同期比18.2%増)を見込んでいる。

 ここからはホリデー商戦、各ハードウェアと事業の今後の見通しについて言及していこう。

 今年のホリデー商戦は、Nintendo Switchの足場が固まった状態で新作タイトルの発売に臨める状況。10月から12月にかけて、ゲームファンに加えてファミリー層までにも訴求した大型タイトルが集中的に発売される。説明会では、代表取締役社長の古川俊太郎氏が「これまでの良い流れを途絶えさせず、家庭内の各ユーザーの期待に沿える複数の注目タイトルを起爆剤に、Nintendo Switchの普及の勢いを加速させていく」とコメント。

(出典)2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料 p8

(出典)2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料 p13

 ニンテンドー3DSは、米欧市場を中心に、夏から秋にかけて売れ筋モデルである「Newニンテンドー2DS LL」のパッケージを、人気タイトルをプリインストールしたセットに入れ替えたとのこと。ソフトが1本新たに付くが、米国市場では希望小売価格を据え置いているので、ユーザーにとってさらにお値打ち感が出るようになった。

 気掛かりなのは、持ち運びできる据え置きハードとして人気を博しているNintendo Switchと、ニンテンドー3DSの棲み分けだ。古川氏は「手軽さ、価格面、携帯性に優れている点で、Nintendo Switchとは異なる特長を持つ携帯ゲーム機。3DSは、長い目で見たときに、当社とユーザーとのお付き合いの最初の接点にもなり得る重要な位置づけの商品」と、棲み分けできることに明言し、引き続きビジネスを継続していくことを述べた。

 他方、スマートデバイスビジネスでは、『ドラガリアロスト』の垂直立ち上がりが著しい。国内では100万人を超える事前登録者数を獲得し、さらにサービス開始から現在(10月30日)までの売上は40億円に迫る規模にまで到達しているという。今後はイベントやアップデートを効果的に重ねながら、本作をプレイしているユーザーをさらに増やすために、テレビCMをはじめとした各種プロモーションに力を入れていくとのことだ。

(出典)2019年3月期 第2四半期 プレゼンテーション資料 p16

 なお、今期(2018年4月~2019年3月)は「マリオカート」のスマートデバイス向けアプリ『Mario Kart Tour』のサービスを開始する予定。

 


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