任天堂、スマホゲーム事業は前年同期比14.7%増の333億円 LINEと協業し『Dr. Mario World』を2019年初夏に配信予定

【決算概要】

 任天堂株式会社が1月31日に発表した2019年3月期第3四半期の連結業績(2018年4月1日~12月31日まで)は、売上高9,972億9,500万円(前年同期比16.4%増)、営業利益2,200億2,900万円(前年同期比40.6%増)、経常利益2,402億6,800万円(前年同期比23.5%増)、四半期純利益1,687億8,500万円(前年同期比24.9%増)と増収増益となった。なお、売上高のうち海外売上高は7,749億円と、比率77.7%を占める。

 第2四半期(2018年10月1日~12月31日)単体で見ると、売上高6,083億円、営業利益1,586億円、経常利益1,483億円、四半期純利益1,048億円だった。年末商戦のなか、引き続きNintendo Switchを中心としたハードウェアが好調な売れ行きとなった。

【事業状況】

 はじめにNintendo Switchの状況から。年末商戦ではソフトウェアによるハードウェア販売の大きな牽引も見られ、その結果ハードウェアの販売台数は1,449万台(前年同期比19.5%増)、ソフトウェアの販売本数は9,464万本(前年同期比100.9%増)となった。

(出典)2019年3月期 第3四半期 プレゼンテーション資料 p3

 ソフトウェアでは、10月に発売した『スーパー マリオパーティ』が530万本、11月に発売した『ポケットモンスター Let’s Go! ピカチュウ・Let’s Go! イーブイ』が1,000万本、12月に発売した『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』が1,208万本の販売を記録する大ヒットとなり、プラットフォームの活性化に貢献した。

 加えて、これら以外のタイトルやソフトメーカーのタイトルも順調に販売数を伸ばし、当期のミリオンセラータイトル数はソフトメーカーのタイトルを含めて20タイトルに。

 一方、発売から8年目を迎えたニンテンドー3DSでは、ハードウェアの販売台数は231万台(前年同期比60.5%減)、ソフトウェアの販売本数は1,108万本(前年同期比64.5%減)となった。その他、「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」および「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」が合計583万台を販売。

 ゲーム専用機におけるデジタルビジネスでは、主にNintendo Switchのパッケージ併売ソフトや追加コンテンツ等による売上が順調に伸び、デジタル売上高は842億円(前年同期比95.1%増)となった。

(出典)2019年3月期 第3四半期 プレゼンテーション資料 p7

 スマートデバイスビジネスでは、2018年9月27日に日本、台湾、香港、マカオ、米国でサービスを開始した『ドラガリアロスト』(開発:Cygames)が、国内外で多くのユーザーから支持され売上に貢献。また前期までに配信した『スーパーマリオ ラン』や『ファイアーエムブレム ヒーローズ』、『どうぶつの森 ポケットキャンプ』はそれぞれ安定した人気を維持しており、スマートデバイス・IP関連収入等の売上高は333億円(前年同期比14.7%増)となった。

【見通し】

 2019年3月期の業績予想については、売上高が1兆2,000億円(前年同期比13.7%増)、営業利益2,250億円(前年同期比26.7%増)、経常利益2,300億円(前年同期比15.4%増)、当期純利益が1,650億円(前年同期比18.2%増)を見込んでいる。

 ここからはハードウェアと事業の今後の見通しについて言及していこう。

 Nintendo Switchでは1月に『New スーパーマリオブラザーズ U デラックス』を、3月に『ヨッシークラフトワールド』を発売するほか、ソフトメーカーからも有力タイトルの発売を予定。新規タイトルに加え、発売済みの人気タイトルの販売を強化することで、プラットフォームの普及拡大を目指していく。ニンテンドー3DSは、引き続き、ハードウェアの普及基盤と、豊富なソフトウェアラインアップを活かし、定番タイトルの販売拡大に努めるという。

 なお、同社は、「任天堂IPに触れる人口の拡大」を基本戦略として掲げ、これらは今後も継続して追及していく方針だ。その基本戦略のもとで行っている同社の取り組みは、「ゲーム専用機ビジネス」「IP展開ビジネス」「モバイルビジネス」のいわゆる3つの柱がある。

 ハード・ソフト一体型のゲーム専用機ビジネスは、ゲーム専用機だからこそできる任天堂の娯楽を体験してもらい、遊び続けてもらうことを目指している。そのうえで同社は、オンライン機能を拡充する有料サービスである「Nintendo Switch Online」を昨年9月より開始。Nintendo Switch Onlineの加入数は、無料体験を除いて、800万アカウントを超え、順調な滑り出しを見せている。Nintendo Switchを持っているユーザーに「もっと楽しく、もっと便利に」遊び続けてもらえるように、サービス内容の拡充にこれからも取り組んでいくという。

 IP展開ビジネスでは、主に他社とのパートナーシップを通じて、ゲーム以外の場で「任天堂IPに触れる人口の拡大」を進めていく。キャラクター商品やテーマパークなどのライセンスビジネス、映像コンテンツのビジネスなどの取り組みで、ユーザーの日常的な生活空間においても任天堂のキャラクターや世界観を目にされる機会を増やしていき、より身近な娯楽体験として任天堂がつくり出すゲームの世界観を感じてもらいたいと考えているとのこと。

 Universal Parks & Resortsとのテーマパーク展開に関する取り組みは着実に進んでおり、現在「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」で建設中の「SUPER NINTENDO WORLD」のエリアは、2020年の東京オリンピックの開催までのオープンに向けて準備が進んでいる状況。また、イルミネーションとの「スーパーマリオ」を扱ったアニメ映画の企画も、2022年頃の劇場公開を目指して進んでいるという。

 KCJ GROUPとの協業により、「キッザニア東京」および「キッザニア甲子園」へ、「Nintendo Labo」を活用したパビリオンを、2019年夏に出展する予定であることを先日発表。

 これらの取り組みに加えて、国内初の任天堂のオフィシャルショップ、「Nintendo TOKYO(ニンテンドートウキョウ)」の開店準備を進めていることを、決算発表会の場で明らかにした。ユーザーと任天堂との新しい接点であり、年齢、性別、ゲーム経験の有無にかかわらず幅広い方に楽しめる場所にしたいと考えているとのこと。ゲーム機本体、ソフトウェア、キャラクターグッズなどの販売を行うだけではなく、イベントの開催やゲームの体験なども計画しており、国内における任天堂の情報発信の拠点とするよう、準備を進めている。「Nintendo TOKYO」は、「渋谷PARCO(仮称)」に2019年秋のオープンを予定。

 そして、モバイルビジネス。現在運営中のタイトルについて、サービスを継続・発展させつつ、新規タイトルの投入を行い、モバイルビジネス全体の収益拡大を進めていくとしている。そのために、様々なノウハウを持つ他社とのパートナーシップを積極的に検討し、推進していくとのことだ。

 運営中の既存アプリは、イベントや大型アップデートの実施など、ユーザー満足度の向上、継続的に遊んでもらうための工夫を重ねているという。また、『ファイアーエムブレム ヒーローズ』では、近くポルトガル語に対応し、南米地域をサービス地域として追加。同様に『ドラガリアロスト』についても、カナダやイギリス、オーストラリアといった英語圏の国を、新たにサービス地域として追加するようだ。

 なお、今期(2018年4月~2019年3月)リリース予定だった「マリオカート」のスマートデバイス向けアプリ『Mario Kart Tour』は、品質向上および配信後のイベントなどサービス内容拡充のため、2019年夏の配信に延期。

 また、決算発表日、スマートデバイス向けゲームアプリ事業におけるLINEとの協業を発表。この協業に基づき、新たに『Dr. Mario World(ドクターマリオ ワールド)』を、2019年初夏に日本とアメリカをはじめとしたグローバル市場に配信することを決定した。DeNAやCygamesなどに続くパートナーシップだが、同社は「今後も良いお話があれば、他社様とのパートナーシップを積極的に検討していきます」としている。

 


【関連リンク】

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でフォローしよう!

IR 決算情報
Tagged with: , ,