【決算概要】
株式会社エイチームは 3月8日に2019年7月期第2四半期の決算を発表した。第2四半期連結累計期間(2018年8月1日~2019年1月31日)の実績は、売上高185億2,400万円(前年同期比2.5%増)、営業利益11億7,700万円(前年同期比42.8%減)、経常利益11億6,800万円(前年同期比43.7%減)、当期純利益7億4,100万円(前年同期比48.2%減)の増収減益となった。


【事業状況】
エンターテインメント事業

スマートフォン向けゲームを展開するエンターテインメント事業は、セグメント売上72億4,900万円(前年同期比16.0%減)、セグメント利益8億8,500万円(前年同期比49.4%減)と減収減益に。2018年10月にリリースした新規ゲームアプリ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト -Re LIVE-(通称:スタリラ)』が好調に推移し、前四半期比(QonQ)では売上回復のけん引役となった。一方、第2四半期累計では、既存ゲームアプリの売上が減少したため、エンターテインメント事業は前年同期比(YonY)で減収減益となった。
『スタリラ』は、2018年10月21日にGoogle Play、10月28日にApp Store向けに配信開始し、無料ランキング1位、セールスランキング10位を記録するなど好調なスタートを切った。
原作はミュージカルをはじまりとし、2018年7月よりTBS系列にてアニメが放送されたメディアミックス作品。ミュージカルとアニメーションで紡ぐ二層展開式少女歌劇と銘打ち、双方を同じキャストが演じるというコンセプトのもと、2017年9月にプロジェクト第一弾となるミュージカル公演を開催。キャストたちの全身全霊の歌、ダンス、殺陣によるパフォーマンスが話題を呼び、2018年1月に早くもリバイバル公演を開催した人気IPだ。
第2四半期単体のエンターテインメント事業の売上高が、40億円(前四半期比23.5%増)を記録し、見事なV字回復を果たしているのは、『スタリラ』の功績が大きい。
ライフスタイルサポート事業

引越し比較・予約サイト「引越し侍」、自動車査定・買取サイト「ナビクル」のほか、ブライダル関連サービス「ハナユメ」、金融サービスなど生活に密着したWebサービスを運営するライフスタイルサポート事業は、セグメント売上103億6,400万(前年同期比25.4%増)、セグメント利益12億8,500万(前年同期比3.9%増)と、増収増益となった。
第2四半期は、各サブセグメントで増収幅は異なるものの総じて好調に推移。各サブセグメントでは、既存事業の育成に加え、周辺サービスを拡充しながら、新しい事業領域において新規サービスを複数立ち上げ、引き続き今後の成長に向けた先行投資を実施していくとしている。そのため、前年同期比で利益率が低下している。
EC事業

自転車専門のECサイト「cyma(サイマ)」を運営するEC事業は、セグメント売上9億1,100万円(前年同期比21.9%減)、セグメント損失1億3,100万円(前期は1億1,200万円の損失)となった。第2四半期は、引き続き通期での黒字化に向けて、物流オペレーション等、運営の最適化に向けた体制整備を優先した結果、売上が前年同期比で減少に。
【見通し】

2019年7月通期の業績予測は、売上高400億円(前期比6.2%増)、営業利益40億円(前期比14.9%減)、経常利益40億円(前年同期比15.4%減)、当期純利益26億円(前年同期比21.4%減)を見込んでいる。2019年度は先行投資のフェーズと位置付け、既存サービスは堅実な運営に努め、新事業と新作タイトルを打ち出す計画だという。
売上高は、EC事業が計画未達となったものの、エンターテインメント事業の新規ゲームアプリ『スタリラ』の投入効果に加え、ライフスタイルサポート事業も好調に推移したことにより、全体では概ね期初の予想通りの着地となった。
また、エンターテインメント事業のセグメント業績予測は売上高150億円(前期比7.2%減)だが、第3四半期は、『ユニゾンリーグ』で人気アプリ『剣と魔法のログレス いにしえの女神』(提供:マーベラス)と、『ヴァルキリーコネクト』で人気アニメ「エヴァンゲリオン」と、それぞれ人気IPとのコラボ施策を実施。

今後の主力を担う『スタリラ』では、各種ゲーム内イベントはもとより、「AnimeJapan 2019」の出展など、ブシロード社によるマーチャンダイジング施策が積極的に展開。第4四半期以降では、初のリアルイベント「スタリラ祭 2019 in池袋」を2019年6月に開催とのこと。
ライフスタイルサポート事業及びEC事業はビジネスの特性上、例年第3四半期が繁忙期であり、下期での売上と利益貢献を上期に比して多く予想。加えて、ライフスタイルサポート事業を中心に、本年度上期には、複数の新規サービスへの投資が集中的に行われる等の要因も踏まえ、同社グループの営業利益・経常利益・当期純利益は下期に高い割合を占める結果となる予想をしている。
第3四半期の進捗では、2019年2月22日に、金融メディア事業を分離、独立事業会社化し、意思決定の迅速化・専門性の強化を図るため、株式会社エイチームフィナジーを設立。営業開始日は2019年5月を予定している。
そのほか、業界初のネットで結婚式の日程予約ができるサービス「HIMARI」を2019年3月末にスマートフォン版をプレオープン予定、エンジニア向け転職支援サービス「Qiita Jobs」が今春β版をリリース予定としている。
【関連リンク】
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