gumi、第3四半期はQonQで若干の減収も広告宣伝費等のコストの適正化により黒字着地 来期は「劇場版 タガタメ」を6月公開…制作費は約5億円

【決算概要】

 株式会社gumiは3月8日に2019年4月期第3四半期の決算を発表した。2019年4月期第3四半期連結期間(2018年5月1日~2019年1月31日)の業績は、売上高171億9,997万円(前年同期比18.3%減)、営業損失5億4,722万円の赤字(前年同期は11億5,271万円の黒字)、経常損失4億8,204万円の赤字(前年同期は10億3,560万円の黒字)、当期純損失3億2,838万円(前年同期は8億3,225万円の黒字)となった。

 第3四半期単体では、売上高54億5,300万円(前四半期比4.8%減)、営業利益6,300万円(前四半期は3億5,900万円の赤字)、経常利益3,800万円(前四半期は4億7,600万円の赤字)と、前四半期比では若干の減収も、広告宣伝費等のコストの適正化により、黒字にて着地。モバイルオンラインゲーム事業は、新規配信タイトルは苦戦も、主力タイトルが堅調に推移した。新規事業は、VR/AR領域及びブロックチェーン領域において、国内外の有力企業への投資を継続している。

(出典)2019年4月期 第3四半期 決算説明資料 p3
(出典)2019年4月期 第3四半期 決算説明資料 p4

 

【事業状況】

 同社の主な事業は、ネイティブアプリサービスに特化したモバイルオンラインゲームの開発・運営。『クリスタル オブ リユニオン(以下、クリユニ)』をはじめ、『ファントム オブ キル(以下、ファンキル)』や『誰ガ為のアルケミスト(以下、タガタメ)』、他社と共同開発した『ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス(以下、FFBE)』などを運営している。

 第3四半期連結累計期間のモバイルオンラインゲーム事業は、売上高171億9,898万円(前年同期比18.3%減)、営業損失2億1,028万円の赤字(前年同期は13億4,906万円の黒字)となった。

 主力タイトルである『ファンキル(日本語版)』、『タガタメ(日本語版)・(海外言語版)』、『クリユニ(日本語版)・(海外言語版)』、『FFBE(日本語版)・(海外言語版)』は堅調に推移したものの、前連結会計年度に配信した新規タイトルの売上寄与は限定的となり、また経営資源の選択と集中を図るべく、一部タイトルの配信停止を行った結果、売上高が減少。

 さらに、一部主力タイトルにおけるTVCMの放映や、新規タイトルの配信に伴うプロモーションの実施等の広告投資は行ったものの、その他のタイトルに関しては費用対効果を重視したプロモーション施策を実施したことに伴い広告宣伝費が減少し、販売費および一般管理費が減少した。主に第2四半期と同様の結果となった。

 ここからは国内の各主力タイトルの状況について言及していこう。

 『ファンキル』は、4周年施策として有名タレントを起用した全国規模のTVCMの放映や人気アニメとのコラボ等を実施し、ユーザーベース及び売上の拡大に成功。新機能の追加やUI改修等のコンテンツ強化により、ユーザー満足度の向上を実現。また、新シリーズのユニット投入やストーリーの追加に加え、集客施策の実施により、ユーザーベース及び売上の維持、拡大を図るとしている。

 『FFBE』は、全世界3500万DLキャンペーン施策や年末年始施策の実施等により、ユーザーベース及び売上は好調に推移。国内1200万DLキャンペーン施策の実施等により、売上の更なる拡大を目指すとのこと。

 『タガタメ』は、リアルイベントの開催等、既存ユーザーのエンゲージメント強化に注力するとともに、3周年を契機としたコラボの実施や開眼スキル等の新機能追加により、ユーザーベース及び売上の拡大に成功。3周年施策の継続や新ストーリーの追加等、ゲーム内施策の充実により、ユーザーベース及び売上の維持、拡大を図る。

 『クリユニ』は、『ブレイブフロンティア』や『ドールズオーダー』等の自社タイトルとのコラボの実施に加え、1000日記念キャンペーンの開催等により、ユーザーベース及び売上は堅調に推移。3周年施策の展開や有力IPとのコラボ実施等により、売上の最大化を図ろうとしている。

 新作タイトルについても見ていこう。2018年2月リリースの『ブレイブフロンティア2』は、旧ブレフロの人気ユニット投入や新システムの実装等により、ユーザーベースは堅調に推移したものの、ストーリーの完結により、2019年2月末を以って更新を終了。3月以降は既存ユーザー向けに、過去に実施したイベントの復刻等を予定。

 2018年11月リリースの『ミストギア』は、ユーザーベースの確保に苦戦。単行本発売に合わせたゲーム内施策の実施に加え、新章公開等のコンテンツ投入や機能改修等により、ユーザーベース及び売上の維持、拡大を図るとしている。

 2018年9月に5言語対応で全世界配信を開始した『BRAVE FRONTIER : THE LAST SUMMONER』は、PvP機能等のコンテンツ追加及び季節イベントの実施等によりユーザーベースの拡大を図るも苦戦。バレンタインイベントの開催及び機能改修等により、ユーザーベースの維持を目指すとのことだ。

そして2018年3月リリースの『ドールズオーダー』は、2019年2月に配信権をマイネットゲームスに譲渡した。

 他方、VR/AR事業は、引き続き国内外の有力企業への投資を実行。戦略的投資を通じた高品質なコンテンツの開発も順調に進捗しているという。

 第3四半期では、引き続き、Tokyo XR Startups株式会社及びNordic VR Startups Oy等におけるインキュベーションプログラムを通じ、世界を代表する企業の育成と輩出を目指して国内外のVR/AR市場におけるスタートアップ企業に対し様々な支援を提供。  また、同社グループがジェネラル・パートナーとして参画しているVenture Reality Fundを通じたグローバル投資を実行し、有力な技術・コンテンツ・人材を保有する企業との戦略的な連携を図ってきた。この結果、売上高99万円(前年同期比230.0%増)、営業損失3億3,694万円の赤字(前年同期は1億9,634万円の赤字)となった。
 

【見通し】

(出典)2019年4月期 第3四半期 決算説明資料 p8

 2019年4月期の連結業績予想は、売上高211億9,900万円(前年同期比21.8%減)、営業損失14億4,700万円の赤字、経常損失14億3,200万円の赤字としている。

 売上予想の理由として、主力タイトルの周年施策の終了や季節要因による減収に加え、『ドールズオーダー』の配信権譲渡に伴う売上の減少等を想定し、前四半期比で大幅な減収を見込んでいる。営業利益、経常利益は、後述する「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」の制作費(約5億円)の計上に伴う 広告宣伝費の増加を想定し、前四半期比で大幅な減益を見込むという。

▲「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」公式サイトより

 来期では、自社タイトルのIP化に向けた取り組みとして、「劇場版 誰ガ為のアルケミスト」を2019年6月に劇場公開を予定。数々のヒット作品を手掛けた河森正治氏が総監督を務め、2019年3月24日に日本最大級のアニメイベント「Anime Japan 2019」にてステージイベントを開催予定という。モバイルオンラインゲームのみならず多様なチャネルへの展開により、既存ユーザーのエンゲージメント強化を図るとともに、自社有力タイトルのIP化を目指すとのことだ。

 今後のパイプラインでは、新規タイトル『乙女神楽 ~ザンビへの鎮魂歌~』を含め3本の大型タイトルの開発を継続。他社IP系タイトルでは、『WAR OF THE VISIONS ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争』(スクウェア・エニックス配信)の共同開発、他1本を開発中。

(出典)2019年4月期 第3四半期 決算説明資料 p12
(出典)2019年4月期 第3四半期 決算説明資料 p13

 新規事業の試みとしては、ブロックチェーン技術を活用したゲームを開発するdouble jump.tokyoの株式を親会社であるディー・エル・イーより譲り受け、同社と資本業務提携を締結。gumiグループの有するグローバルにおけるマーケティングノウハウを同社に提供するとともに、両社の保有するIPを活用した新規ブロックチェーンコンテンツの開発も検討するという。

▲double jump.tokyoが開発を務めた『My Crypto Heroes』(2018年11月30日配信 )。バトルβテストでは、DAppsゲームで世界一のDAUを達成

 譲受先であるディー・エル・イーとの間においても、今後VTuber事業等の様々な業務領域にて戦略的提携を検討しているとのことだ。  なお、第4四半期から来期にかけては、現在の売上水準にて利益を創出できる強固な財務体質の構築を図るべく、国内外全拠点にてコスト構造の見直しを実施。加えて、新規タイトルの配信や新規事業の収益貢献等のアップサイドにより、収益力の更なる強化を目指し、来期第1四半期は黒字化を見込むとしている。


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