ネクソン、2018年12月期 通期業績は過去最高を記録 日本の売上収益は新作スマホゲームの寄与により前年同期比で増加

【決算概要】

 株式会社ネクソンが2月12日に発表した2018年12月期の決算は、売上高2,537億2,100万円(前年同期比8.0%増)、営業利益983億6,000万円(前年同期比8.7%増)、税引前利益1,174億4,400万円(前年同期比67.8%増)、当期純利益1,076億7,200万円(前年同期比89.7%増)と、過去最高の通期業績となった。要因は、中国・北米及びその他の地域の事業のけん引により、売上収益が前期比で増加したことが挙げられる。

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p13

 ただ、第4四半期単体で見ると、売上高460億8,100万円(前年同期比13%減)、営業利益39億700万円(前年同期比67%減)と減収減益に。PCオンラインゲームの売上収益は、業績予想レンジ内の着地となったが、モバイルゲームの売上収益は、主に日本の新作及び韓国のモバイルゲームからの寄与が計画以下であったことから業績予想を下回った。

 そして営業利益は39億円、四半期利益は65億円となり、いずれも当社業績予想を下回った。主にナット・ゲームズのゲームIP及びのれんに係る減損損失30億円が発生したことが要因。減損損失の影響を除いた営業利益及び四半期利益はそれぞれ69億円、95億円であった。

 他方、2018年12月期の地域別売上構成比では、中国が52%、韓国が29%、日本が6%、北米が7%と引き続きアジア圏が占めた。また、プラットフォーム別の売上構成比率では、PCが78%、モバイルが22%と、変わらずPCオンラインゲーム事業が好調だ。

 

【事業状況】

 ネクソングループの事業セグメントは、大きく分けてPCオンライン事業、モバイル事業のふたつからなる。さらにグローバルでタイトルを展開していることから、本稿では各主要国にフォーカスをあてて事業を振り返っていこう。

 中国では、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』(Dungeon&Fighter)の旧正月アップデート(1月)、10周年アップデート(6月)及び国慶節アップデート(9月)等の主要アップデートがユーザーの好評を博し、売上収益が前期比で増加。

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p23

 韓国では、主力PCオンラインゲーム『メイプルストーリー』(MapleStory)や、前第4四半期連結会計期間にローンチしたモバイルゲーム『OVERHIT』が増収寄与した一方で、『EA SPORTS ™ FIFA Online 3』及び『EA SPORTS ™ FIFA Online 3 M』から『EA SPORTS ™ FIFA ONLINE 4』及び『EA SPORTS ™ FIFA ONLINE 4 M』へのサービス移行の影響によりPC及びモバイルの売上収益が前期比で減少した結果、韓国における売上収益が前期比で減少した。

 北米及びその他の地域では、前第4四半期連結会計期間に連結子会社となったピクセルベリー・スタジオズが配信する『Choices:Stories You Play』、第3四半期連結会計期間に配信を開始した『メイプルストーリーM』(MapleStory M)、第2四半期連結会計期間に配信を開始した『Darkness Rises』からの寄与により売上収益が前期比で増加。

 ちなみに日本は、モバイルブラウザゲーム、『HIT』及び『ハイドアンドファイア』は配信から数年が経過し、売上収益が減少。しかし、『真・三國無双 斬』(9月)や『FAITH』(11月)を含む新作モバイルゲームからの寄与により、日本の売上収益は前年同期比で増加した。

 ここからは全体の費用面について言及していこう。

 費用面では、『FIFA Online 3』の売上収益の減少に比例してロイヤリティ費用が減少した一方で、ゲームのラインナップの増加に伴いクラウドサービス費用が増加した結果、売上原価は前年同期比で微増。

 販売費及び一般管理費は、主にストック・オプション費用の増加や、『FIFA ONLINE 4』や『KAISER』及び『メイプルストーリーM』等の新規タイトル、『Choices』のプロモーションに係る広告宣伝費が増加したことから前期比で増加した。

 その他の費用は、第2四半期連結会計期間において連結子会社であるネクソン・コリア・コーポレーションがナット・ゲームズ・カンパニー・リミテッド株式を取得した際に認識したのれん及び無形資産について減損損失を計上しているが、前連結会計年度における減損損失の計上額を下回っていることから前期比で減少。

 また、当連結会計年度における為替相場の変動の影響により外貨建ての現金預金及び売掛金等について為替差益が発生した結果、金融収益は増加し、金融費用は前期比で減少した。法人所得税費用については、中国地域における事業好調の影響により前期比で増加。

 

【見通し】

 見通しでは、通期の連結業績予想を算出することが困難とし、翌四半期(2019年12月期 第1四半期)の連結業績予想をレンジ形式により開示している。

 2019年12月期第1四半期の連結業績予想は、売上収益796億7,800万円~873億9,900万円(前年同期比12.0%~3.4%減)、営業利益406億7,400万円~474億3,700万円(前年同期比25.7%~13.3%減)、税引前利益431億6,600万円~499億2,900万円(前年同期比19.1%~6.4%減)、当期利益379億2,100万円~436億7,700万円(前年同期比18.6%~6.3%減)としている。

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p20

 売上収益では、既存の主力PCオンラインゲーム『FIFA ONLINE 4』及び『メイプルストーリー』、2019年1月に配信を開始したモバイルゲーム『Spiritwish』の増収寄与が予想される一方で、『OVERHIT』、『AxE』、『Durango: Wild Lands』等のモバイルゲームの売上収益が前年同期比で減少することを見込んでいる。これらの要因に加え、韓国ウォンの対円為替レートが前年同期比で円高に推移し、業績にマイナス影響を与えることが予想されることから、韓国における売上収益は前年同期比で減少に。

 中国では、主力PCオンラインゲーム『アラド戦記』に対し、旧正月の時期に合わせた主要コンテンツアップデートを2019年1月21日に実施。当該アップデートは堅調に推移しているものの、中国でのサービス開始以降、過去最高の業績であった前第1四半期連結会計期間との比較となることから、売上収益が前年同期比で減少することが見込まれる。

 日本では、『FAITH』、『真・三國無双 斬』、2019年2月13日に配信開始された新作モバイルゲーム『Dark Avenger X』からの寄与により、前年同期比で増収とのこと。

 北米では、『メイプルストーリーM』(MapleStory M)、『Darkness Rises』、また2019年2月に配信を開始する『AxE』からの寄与を見込む一方で、『Choices』や『ドミネーションズ -文明創造-』の減少を見込み、売上収益が前年同期比でおよそ横ばいに。欧州及びその他の地域では、主に『メイプルストーリーM』、『天涯明月刀』、『Darkness Rises』、また『AxE』からの寄与により、前年同期比で増収となることが見込まれるという。

 費用面では、従業員数の増加に伴う人件費の増加、モバイル事業の拡大に伴う外注費やクラウドサービス費用の増加が見込まれる。

 なお、ネクソンは今後自社IPを題材とするゲーム開発へ注力していくという。国内外問わず、豊富なパイプラインには今後期待せざるを得ない。

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p24

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p8

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p4

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p5

(出典)平成30年12月期第4四半期決算説明会資料 p7


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