2014年8月14日にiOS版、同年8月15日にAndroid版がリリースされた「グリモアA~私立グリモワール魔法学園~」(以下、「グリモアA」)。2017年10月、当時のサイバーエージェントグループでは新しいマーケティング施策の1つとして、ゲーム同士のコラボレーション(以下、ゲーム間コラボ)を実施されました。
当時のグリモアAプロデューサーであり、現在は株式会社アプリボット取締役の佐藤さんと、株式会社マイネットの両角さんのゲーム間コラボに関する対談をお届けします。
※前身は「グリモア~私立グリモワール魔法学園」
株式会社アプリボット
取締役
佐藤 裕哉 氏
[Topics]
■アプリボットの事業や佐藤さんについて
■ダイレクト広告の課題
■ゲーム間コラボを実施するまでの苦労とは
■100対0!?ゲーム間コラボの費用対効果が良いワケ
■これからのマーケティングのあり方について
■アプリボットの事業や佐藤さんについて
両角:「グリモアA」について伺う前に、アプリボットという会社や佐藤さんの業務内容について教えてください。
佐藤:アプリボットはスマートフォンゲーム事業をメインとしているのですが、実はゲーム事業以外にも新規事業がいくつかあります。「モノづくり」を生業にしていてメインはゲーム事業、というのがアプリボットですね。
僕はその中で3つのタイトルの統括をしています。

■ダイレクト広告の課題
両角:ゲーム間コラボを行なった経緯として、当時マーケティング部はどのような課題を感じていたのですか?
佐藤:主に、行っていた「ダイレクト広告の費用対効果が悪くなってきた」というのが課題でした。タイトルの運用年月が長くなりマーケティングの費用対効果がどんどん低下していく中で、”ある程度の規模感やインパクトがありつつ、費用をかけずに集客する方法はないか”という考えからゲーム間コラボが候補にあがってきましたね。
両角:「グリモアA」でゲーム間コラボの実施を”決断したポイント”はどういうところだったのでしょうか?
佐藤:おそらく「もうダイレクト広告では(新規のお客様を)獲得できないな」という考えからですね。ゲーム間コラボ自体はソシャゲ時代からの施策ではあるし、工数的にも実施可能だったというのもあります。
■ゲーム間コラボを実施するまでの苦労とは
両角:ゲーム間コラボを実施するまでどのような苦労がありましたか?
佐藤:ゲーム間コラボ先の開拓ですね。初めは苦労しました。サイバーエージェント内に他社へのアプローチを専門にやっている部署がありますので、そこへ相談することもありますが、マイネットさんを通じてご紹介頂いたこともあり、実際に実施にも繋がっているので助かっています。

両角:ゲーム間コラボ先の条件としては、世界観やモチーフ、タイトルの規模感など、どのあたりを見ていらっしゃるんですか?
佐藤:タイトルにもよるのですが「グリモアA」は美少女系を重視していますね。
「ジョーカー〜ギャングロード〜」はお客様の属性を分析したうえで、大きく外さなそうなアプリを選定し検討しています。
■100対0!?ゲーム間コラボの費用対効果が良いワケ
両角:実際にゲーム間コラボの成果を出す(工数の回収)までには、どれくらいの実施回数がかかりましたか?
佐藤:1回目で回収できましたね。 マイネットさんの「メルティメイデン」とのゲーム間コラボでとても高い効果を得られました。 「これはあるぞ!!」となりました(笑)

両角:ありがとうございます(笑)
正直なところ、私たちも1回目から高い効果を出していただきたいと思いつつ、その効果を見ながら2回目や3回目と実施していただいています。
佐藤:そうですね、これまで実施してきた会社さんがツートライ・スリートライしているのは、やはり費用対効果が良いからだと思いますね。
僕としてもマイネットさんのゲーム間コラボは定常的に行う一つの施策として認識していて、ダイレクト広告とは違う集客手法として捉えています。
両角:ゲーム間コラボを実施した際のリターンとしては、具体的にどういったところをみられているのでしょうか。
佐藤:主にLTVとDAUの二軸ですね。新規流入のお客様とあまり変わらないです。
両角:なるほど。例えばダイレクト広告やオーガニックで入ってきてくれたお客様と比べると…?
佐藤:ぶっちぎりでゲーム間コラボがいいですね。100対0ですね。
両角:光栄です(笑)
佐藤:やはりゲーム好きなお客様を集客できますし、プレイしてくださってるお客様にとってはミッションをクリアすることで報酬ももらえますからね。効果としては、継続率・LTVともにダイレクト広告換算だと2倍から3倍以上とかなり大きいです。
もちろんレンジはあると思いますが、集客できる質に関してはゲーム間コラボとダイレクト広告やオーガニックとで比べると、ゲーム間コラボが上位互換というイメージですね。
両角:グリモアAはアニメコンテンツなどとのIPコラボも積極的に実施されていますが、ゲーム間コラボと併用されていらっしゃいますね。
佐藤:はい。基本的にゲーム間コラボとIPコラボは同時に実施していますね。グリモアAでは、IPコラボでゲームを盛り上げつつ、ゲーム間コラボで新規のお客様を獲得して、相乗効果を狙うようにしています。
両角:確かに相乗効果は期待できそうですね!参考になります。
■これからのマーケティングのあり方について
両角:「グリモアA」は今後もゲーム間コラボを続けていくのでしょうか?
佐藤:そうですね。「グリモアA」もそうですし、SGEとしてもゲーム間コラボを行なっていく可能性はあると思います。SGEのプロデューサーもゲーム間コラボは選択肢に入っているんじゃないでしょうか。※SGEとはサイバーエージェントのゲーム事業の子会社10社が所属する組織(Smartphone Games & Entertainment)のこと)
やりどきとして”ダイレクト広告の効果が低下してきたタイミング”というのを見極められるといいですよね。

両角:その通りですね。マーケッターの方とのコネクションを活用しながらダイレクト広告の費用対効果についてお話を伺い、マーケティング手法の分岐点というのを探って行きたいと思います!
本日はありがとうございました。
編集:NEXT MARKETING編集部
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