「戦国炎舞 -KIZNA-」が実践する、ゲーム運営の戦略を導き出すゲーム間コラボの活用法とは

2013年4月15日にiOS版、同年7月9日にAndroid版がリリースされた「戦国炎舞 -KIZNA-」(以下、「戦国炎舞」)。2013年8月、ブラウザゲームでは一般的でしたが、当時のネイティブゲームではまだ珍しい施策だった、ネイティブゲーム同士のコラボレーション (以下、ゲーム間コラボ) を実施されました。

今回は戦国炎舞のプロデューサーの大森さんとマーケッターの伊東さんと、株式会社マイネットの両角さんのゲーム間コラボに関する対談をお届けします。

株式会社サムザップ
大森 達也 氏 (写真左)
伊東 裕貴 氏 (写真右)

[Topics]
■集客だけではない、ゲーム間コラボの活用法
■ゲーム内の代謝を意図的に作る、という考え方
■「ゲーム間コラボ×広告」掛け算で広がる可能性


両角:本日はよろしくお願いいたします!まず初めに、簡単に自己紹介をいただけますでしょうか。

大森:はい。私は2013年の5月から2年ほど、PM(プロダクトマネージャー)として戦国炎舞に携わりました。その後は一度プロジェクトを離れたのですが、2017年10月にプロデューサーとして戦国炎舞に戻り、今に至ります。

伊東:私は2018年5月にサムザップに入社しました。最初はゲームプランナーとしてイベントやキャンペーン等を担当し、昨年の10月からゲーム内外のプロモーションやマーケティングの領域を担当しています。
サムザップにはプロダクトマーケティング室というマーケティングの横断組織があり、私はそこで戦国炎舞担当のリーダーをしております。

戦国炎舞は、長く遊んでくださっているお客様が多いので、最近はファンイベント等を通じて直接お客様と対話することを大切にしています。

集客だけではない、ゲーム間コラボの活用法

両角:それでは早速ですが、ゲーム間コラボの実施を決めたきっかけや継続的に実施している理由を教えてください。

大森:戦国炎舞で一番最初にゲーム間コラボを行なったのは2013年8月ですね。
当時は、広告を強めるタイミングで広告効果をより上げるために実施していました。

現在は、広告で新規のお客様を増やすのが難しくなってきたので、ゲーム間コラボで新規のお客様を増やすことはもちろん、ミッションや報酬を付けることでDAUへの貢献も狙って実施しています。また、ゲーム内施策としての活用も意識しています。

両角:どの会社も、広告での新規のお客様の獲得に苦戦していますよね。

大森:そうですね。ゲーム間コラボと比較して、広告は定着率があまり高くないです。

やはり広告では具体的な出稿先の指定ができない媒体が多いですし、ゲーム間コラボのようなお客様に深く遊んでもらうための工夫が行いづらいため定着率が上がらないのでは、と考えています。

昨年、マイネットさんがご提案して下さった、ミッションや報酬を付けたゲーム間コラボの方式は一番効果が高かったです!(笑)

両角:ありがとうございます! すでに多くの集客手法が確立されている中、貴社にとってゲーム間コラボはどういった役割なのでしょうか?

伊東:私の考えですが、ゲーム間コラボには〈新規のお客様の集客〉と〈カムバック施策〉という二面があると考えています。

ゲーム内で大きな山を作りたいタイミングで〈新規のお客様の集客〉のために実施するという側面と、ゲーム性が近いタイトルや名の知れているタイトルには必ず戦国炎舞のお客様がいた、もしくは今もいると考えているので〈カムバック施策〉として復帰を狙う側面があります。

両角:大きな山を作りたいタイミングというのはいつ頃ですか?

伊東:月末・月初だったり、大きなアップデートがあるタイミングですね。

その他にも、Twitterを含めたゲーム外施策と合わせて、お客様が多い時期にゲーム内施策の一つとしてゲーム間コラボも実施することで相乗効果を狙うようにしています。

両角:ゲーム内施策の一つとして捉えているんですね。

大森:はい。ゲーム内施策としての見せ方について初めて工夫して実施したのが〈三国志系タイトルとのコラボ〉でした。

戦国炎舞の課題として、戦国系が好きなお客様だけではなく、それ以外の興味関心層にも対象を広げていく必要性を感じていました。

そのような中で、戦国炎舞を遊んでくださっているお客様には三国志好きも多いという仮説があったため、通常戦国炎舞で実施している戦国イベントと同じような魅せ方で三国志系タイトルとのゲーム間コラボを実施できるのではないか、と考えたんです。

ただ、かといっていきなり強力なIPタイトルとコラボして三国志キャラを登場させるのは費用対効果も見えないため、「ゲーム間コラボとして三国志系タイトルとコラボする、だからゲーム内に三国志キャラが登場する」という構図にしようと考えました。

伊東:お客様を集客するための施策というだけではなく、ゲーム運営の戦略の一環として取り組んだゲーム間コラボは初でしたね。

両角:面白いですね!DAUへ寄与するだけではない、一歩先のゲーム間コラボの活用法と言えますね。 タイトル間でイラストも交換したんですか?

伊東:その時はイラストの交換は行わず、オリジナルの三国志系キャラを描き下ろしました。
「三国志追加記念」という大きな冠を作って、ログインボーナスやプレゼント等の色々な施策の中にゲーム間コラボもある、という形にしました。

■ゲーム内の代謝を意図的に作る、という考え方

両角:費用対効果の算出という点で、集客したお客様の質はどのように測っていますか?

伊東:当月の継続率とROASですね。

ゲーム間コラボはとても数値がいいです(笑)

やはりずっとゲームをプレイしていてゲーム自体に慣れているお客様の熱量は高いですし、長く遊んでくださる方が多いと思います。数値は自然流入よりも良いですね。

大森:一番いいですね(笑)

両角:ゲーム間コラボの実施にかかる工数感はいかがですか?

伊東:初回はQAを含めて1ヵ月ほどの工数はかかっています。ですが、2回目以降は開発は不要なので、バナー等のデザインは2-3日、デザイン以外はほぼゼロで実施できます。

大森:費用対効果という観点では、本当にやるべきだと思います。

お客様の離脱というのはやはり一定数存在するので、そうであれば同等数かつより質の高い、定着してくれるお客様を集客したほうがいいですよね。
ゲーム間コラボを通して、ゲーム内の代謝を意図的に作るようにしています。

両角:これからのゲーム間コラボを続けていく上で課題はございますか?

伊東:コラボ先の開拓です。マーケティング担当の方とお話しするときは好感触でも、プロデューサーがNGを出す場合が多いんです。

ほとんどが世界観を大事にしたいという理由なのですが、マーケッター視点だとゲーム間コラボは実施した方がいいという判断になるのでその乖離を埋めるのが難しいですね。

ただ、これまでお話した通り、ゲーム内施策の一つとしてだったり、ゲーム運営の戦略の一環としてゲーム間コラボを考えていただけるように提案していきたいと考えています。

■「ゲーム間コラボ×広告」掛け算で広がる可能性

両角:今後取り組んでみたいことがあれば教えてください。

伊東:他ジャンルのタイトルとのゲーム間コラボにおいて、ジャンルごとの新キャラを広告クリエイティブで活用し、CPIを比較することで、ジャンルの裾野が広いからCPIが低いのか、逆に狭いからCPIが高いのか検証してみたいです。

また、可能であればゲーム間コラボの向き合い先のキャラを広告クリエイティブで活用して、相手タイトルのCPIと同程度でお客様を集めることができるのかも検証してみたいです。

両角:なるほど!相手タイトルのキャラを広告クリエイティブで活用するのは面白い試みですね。

大森:実施ハードルも高そうですが、検討していきたいですね。

CPIが低い向き合い先とのコラボでは、広告でしっかり集客しつつ、内部でもさまざまなコラボ施策を実装できれば理想的です。

集客のためのコラボという観点だと、お客様の納得感があれば、ゲームではなくてもいいと思います。

伊東:ある意味、串カツ田中とのコラボがそうですよね。
今はファンイベントのようなオフ会もあるので、コミュニティができ上がった上でそういったコラボを行なうと規模感も違うと思います。

戦国炎舞以外にも複数のタイトルに参画してもらって、全国規模で実施するのも面白そうですよね。

大森:そうですね。串カツ田中とのコラボではもっと良くできそうな伸びしろも感じました。

※2019年1月22日~2019年2月21日(木)に「戦国炎舞 -KIZNA-」アプリ内ほか、全国200店舗以上の「串カツ田中」にて『「串カツ田中」×「戦国炎舞 -KIZNA-」みんなでいこう!コラボキャンペーン』、合計5つのキャンペーンを実施

両角:ゲームとのコラボだけではなく、ゲーム以外の分野とのコラボも実施されているんですね。

これまでの枠に囚われない、ゲーム運営の一つの戦略として「新たなコラボの在り方」を模索していきたいですね!

大森さん、伊東さん、本日はお時間頂きありがとうございました!

『戦国炎舞 -KIZNA-』公式サイト

編集:NEXT MARKETING編集部

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