【Choice!成功のトリガー/プロデューサー篇】04.株式会社シシララ 代表取締役社長 安藤武博<立志編>

業界の最前線で戦うプロデューサーが語る“6億円のしくじり”

ゲーム業界で働くプロデューサーのキャリアに迫った企画「Choice!~成功のトリガー~ プロデューサー篇」。群雄割拠のゲームアプリ市場の中で、“ヒト・モノ・カネ”を主眼とした多岐に渡る業務を担うゲームプロデューサーですが、現在の市場、働き方、開発・運用・マーケティングについてなにを考えているのでしょうか。

本稿では、現場の責任者でもあるゲームプロデューサーの方々に、これまでのキャリアをはじめ、成功と挫折のエピソード、そこから得た知見・思想、そして今後に挑戦していきたいことなど、他メディアではなかなか語られない個人にフォーカスしてお聞きしていきます。

第4回目は、自らを“ゲームDJ”と名乗る株式会社シシララの代表取締役・安藤武博さんにお話を伺いました。

安藤さんは、大学卒業後、エニックス(現:株式会社スクウェア・エニックス)に入社し、『鈴木爆発』『CHAOS RINGS』『ソングサマナー』『拡散性ミリオンアーサー』など数々の名作ゲームの制作に携わりました。その後、ゲーム&総合エンタメサイト「シシララTV」を立ち上げ、株式会社シシララの代表取締役社長として独立。ゲームをつくる・つたえる・まぜる人として“ゲームDJ”を名乗り、プロデューサー業の傍ら、動画配信なども行っています。

最新作『ブラックスター -Theater Starless-』(Donuts)、『クロス×ロゴス』(アニプレックス)なども手掛け、今月にはDonuts社のゲームを統括する事業部長に就任。常に業界の最前線に身を置き、ヒット作を生み出し続ける安藤さん。しかし、これまでの道のりは決して順風満帆ではなく、波乱に満ちたものでした。

今回は、安藤さんがこれまで歩んできた歴史を振り返りつつ、“過去の失敗”の話題を中心に、ゲームプロデューサーとしての生き様についてお話を伺いました。

[Topics]
■面接での大失敗からの逆転入社
■予算0円で最大限の効果を発揮するプロモーション施策
■6億の大赤字から学んだ経験とノウハウ

 

面接での大失敗からの逆転入社

――:今回、安藤さんにはプロデューサーとしての成功ではなく、過去の失敗についてお話を伺いたいと思います。

面白いですね。サクセスストーリーを聞かれることが多いですが、今まで失敗ばかりしてきているし、成功した話を聞いても面白くないですよね。過去の失敗が今の自分を形作ってるのは間違いないですから。ということで、過去の自分をプレゼンするために、安藤武博「失敗の歴史」を作ってきました!(笑)。大きく分けて、1999年~2005年までの「立志編」、2005年~現在までの「大望編」です。まずは若き頃の失敗の連続を描いた立志編からスタートしましょう。

――:用意周到過ぎて驚いています(笑)。立志編は何歳の頃ですか?

20代です。写真を見て貰えると分かる通り、完全に調子に乗っていますね。こんなやつ失敗するに決まってるんですよ(笑)。まず入社時の頃からお話しますね。1998年4月1日、京都の大学を卒業してエニックス(現:株式会社スクウェア・エニックス)に新卒入社しました。結果的に、17年半在籍することになります。

――:入社試験は特に問題なく進んだのですか?

バンダイやタカラなどの玩具メーカーを中心を受けましたが、SPI試験に否定的だったので勉強せずに行ったら、試験があった全ての会社で落ちました(笑)。当時のエニックスはSPIを導入しておらず、ロジカルシンキングを図る試験のみで、あとは全部面接だったんですよ。じつはここにも失敗がありまして、集団面接のときに時間を間違えて行ってしまった。
 

――:え、結構大きなしくじりですね。

時間というよりも順番ですね。本社ビルの6階が待機室。時間になったら「次、○○君、○○君、○○君、9階に上がって面接です」と案内されるんですね。偶然にも中学校からの同級生である柴貴正(現・スクウェア・エニックス『ドラゴンクエストウォーク』プロデューサー)と一緒の面接だった。関西から来ているし、柴さんが呼ばれたから次は自分だ。と勝手に思ってしまって。「次、柴君、平井君」と呼ばれたときに、平井君より食い気味に立っちゃった(笑)。
 

――:平井君もさぞかし驚いたでしょうね(笑)。

あとで謝って一緒にジョイポリスに行きました(笑)。

話を戻すと、そのままエレベーターに乗って再点呼が行われ、自分は平井ではなく安藤だと伝えました。当然「いや、安藤呼んでないから。」という話になりますよね。みんなが面接会場である9階で降りるなか、人事の人に「そこで待ってて。」と。それで「開」ボタンをずーっと押してエレベーターで待機。

さすがに「あ、これ落ちたわ。」と思いますよね。しばらくして面接会場のドアが開いて「面倒くさいから安藤も一緒に(面接を)やってしまおう。」と言われた。思わず「俺、面倒くさいんですか?」と尋ねたら、「面倒くさいに決まってんじゃん。間違えて来ているんだから。」と返され、「そりゃそうですよね。」と。これが逆に良い方向に進みます。
 

――:まさかの大逆転が!?

腹が据わりました。

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