【×Marketing】vol.4
30年愛され続けるのには理由がある。「サガ」シリーズから学ぶ、ゲームIPが生み出すユーザー体験

ゲームアプリ市場における先進的なマーケティング施策を取材した企画「×Marketing(かけるマーケティング)」。“掛ける(相乗効果で可能性無限)”と“駆け抜ける(新しい挑戦/気概)”をコンセプトに、習慣化しがちなゲームアプリ市場のマーケティング施策について、最新事例はもとより、一般化につながるノウハウをマーケターたちにお聞きしていきます。

第4回目は、株式会社スクウェア・エニックスの人気RPG「サガ」シリーズについて、プロデュース・マーケティングの観点から、プロデューサーである市川雅統氏にお話を伺いました。

「サガ」シリーズは、株式会社スクウェア(現:株式会社スクウェア・エニックス)から発売されたロールプレイングゲーム(RPG)シリーズの総称です。初作品となる『魔界塔士サ・ガ』は、1989年12月にゲームボーイ初のRPGとして発売され、スクウェア初のミリオンセラーを記録。携帯ゲーム用RPGの新境地を開きました。

なかでも代表的なシリーズが『ロマンシング サ・ガ』シリーズで、累計出荷・ダウンロード本数約400万本以上の大ヒットシリーズとなった。

現在、シリーズは23作を数え、全世界での累計出荷・ダウンロード販売本数は1000万本に達しています。また、2018年12月6日にリリースされた、シリーズ初のスマートフォン向けRPG『ロマンシング サガ リ・ユニバース』(配信:株式会社スクウェア・エニックス 共同開発:株式会社アカツキ)も大ヒットを記録。

他方、ゲーム開発・運営のみならず、佐賀県やウイスキーとのコラボレーションなど、多角的にマーケティング施策を実施しており、「サガ」シリーズのブランディングにも力を入れています。このようにゲームIPは、これまでのファンを抱えながらも、新規に関しては独自のマーケティング施策でアプローチする必要があります。

「サガ」シリーズは、なぜ30年もの間、長く愛され続けているのでしょうか。それは過去の人気と資産を食い潰すのではなく、変わらぬユーザー体験と新たな驚きをつねに提供している、開発・運営側の努力の賜物でした。ぜひ、記事を通してゲームIP×ユーザー体験について、知見を得ていただければと思います。

[Topics]
■ゲームIPのブランディング
■奇抜なマーケティング施策も世界観に根ざした企画に
■ユーザーから得られる情報の貴重さ

 

ゲームIPのブランディング

――「サガ」シリーズ、30周年おめでとうございます。家庭用ゲームIPとして、これまでさまざまなメディアで露出してきた同シリーズですが、そもそも市川さんが「サガ」に携わったタイミングはいつごろだったのでしょうか。

最初は『エンペラーズ サガ(※)』のプロデューサーとしてシリーズに携わりました。当時、リリースした2012年からサービス終了となる2017年まで運営していました。

※エンペラーズ サガ:「サガ」シリーズ初の携帯電話向けソーシャルゲーム。シリーズ歴代の戦士たちやかつての宿敵が集結し、『エンペラーズ サガ』オリジナルの新たな物語が描かれた。重厚なバトルシステムとともに『ロマンシング サガ2 ZERO』などシリーズ生みの親である河津秋敏氏書き下ろしの関連シナリオも楽しめた。2017年4月にサービス終了。

そんな折、「サガ」シリーズの生みの親である河津(※)より「サガを(本格的に)一緒にやらないか」と声がかかったのです。その前から『エンペラーズ サガ』を通じて、佐賀県やウイスキーとコラボするなど、シリーズの認知度向上につながる施策にも注力していたほか、私自身、プロデューサーとしても、ひとりのゲームユーザーとしても、「サガ」は思い入れ深いタイトルなので、河津の一声をきっかけに「サガ」シリーズに本腰を入れていきました。

※河津秋敏:「サガ」シリーズ総合ディレクター(スクウェア・エニックス所属)。「ファイナルファンタジー」の開発に携わったのち、「サガ」シリーズ第1弾『魔界塔士サ・ガ』でディレクターを務める。以降、『ロマンシング サ・ガ』や『サガ フロンティア』など、数々のRPG作品を手掛けていく。

その後、河津と同じ部署に異動し、すぐに立ち上げたのが『ロマンシング サガ2』と『ロマンシング サガ3』のリマスター版、そして『ロマンシング サガ リ・ユニバース(以下、ロマサガRS)』でした。
 

――そこから本格的に「サガ」シリーズをリブートさせようと。

はい。2016年のころです。ちょうどコンシューマ版としてのシリーズ最新作『サガ スカーレット グレイス』の発売を控えていましたので、私は過去作を気軽に遊べるようにリマスター版やスマホゲームの展開を進めていきました。

――過去作のリマスター版はもとより、『ロマサガRS』はシリーズの魅力をスマートフォン向けゲームに落とし込むのにご苦労があったかと思います。

ええ。なので企画当初から、「サガをわざわざスマホのF2Pゲームでやる意味ってなんだろう…」ということを考えました。やはり第一にファンの皆さんに喜んでもらいたいので、シリーズに還元できたり、これから発売するリマスター版や完全新作の世界観・舞台につながったりと、単体で完結しないようにと意識しました。
 

――では、現在の形にはすんなり行き着いたのでしょうか。

いえいえ。最初はカードゲームのような家庭用ゲームIPを活用したスマホゲームによくある形でした。過去シリーズのキャラクターが総出演するという、いわゆるオールスタータイトルですね。ゲームとしての戦略的な面白さはあったのですが、使用するキャラクター(カード)は相性さえ合えば勝利できるものでした。

ただ「サガ」シリーズといえば、複数の登場人物たちで織りなすフリーシナリオ、難度の高いバトル、閃きシステムなど、さまざまな魅力を備えています。なかでもキャラクターの個性と、彼ら・彼女らの物語に惹かれたユーザーの皆さんも大勢います。つまり、当初のカードゲームの形式ですと、たしかに戦略性の面白さはありましたが、ただ勝つためだけのパーティ編成になってしまい、自分たちの思い入れあるキャラクターたちを使う機会も薄れてしまっていたのです。

開発中のユーザーインタビューの際にも、「単純なオールスターゲームはやめてほしい」と言われたことがありました。その意味とは、キャラクター個々への愛情が薄れてしまう恐れがあるのではないか、というファンが抱く懸念点でもありました。やはり好きなキャラクターで攻略できなければ意味がないと考え、もう一度内容から作り直すことを決めたのです。
 

――結果として『ロマサガRS』は、過去シリーズのキャラクターが総出演するオールスターゲームとなりましたが、たとえレアリティの低いキャラクターでも育成次第で戦力になったり、独自シナリオで世界観が拡充されたりと、”シリーズ最新作“と銘打っても過言ではないオリジナリティのあるタイトルとなりました。

はい。キャラクターが強さという点だけで入れ代わり立ち代わり消費されるのは、我々開発陣も抵抗がありましたので、なんとかそこは変更しようと今の形に行き着きました。思えば、開発会社のアカツキさんとも度重なる打ち合わせを通して、「サガらしさ」とそれを実現するまでのフローを熟考していきました。

作り直しの提案は本当に心苦しかったのですが、アカツキさんの開発陣も「サガ」シリーズのファンばかりで、一丸となってその”らしさ“を追求して、開発に臨んでくれました。とても感謝しています。

それに、河津の取り組みにも背中を押されましたね。
 

――どういうことでしょうか。

我々が『ロマサガRS』を企画・開発している際に、河津がディレクションを努めたシリーズ最新作『サガ スカーレット グレイス』がリリースされました。ファンにとって待望のコンシューマ版最新作として、大きな注目を集めたうえに、そのゲーム内容が難解で面白く、加えて戦略性に富んで意欲的なゲームだったのです。

……それなのに、なんで、河津より若い俺たちが”置きに行ってるのか“って……(笑)。

一同:(笑)
 

――大先輩が果敢に挑戦されているのに、ということですね。

そうです。戦略性があるとはいえスマホゲームの文脈になぞって、安牌(あんぱい)で開発に臨んでいたことに対して「こんなんでよかったんだっけ…」とチーム内で自問自答しましたね。「サガ」らしさを追求すればするほど、当時のスマホゲームのヒットの法則から外れていきましたが、裏を返せばそれは差別化にもつながるので、大胆に作り直す方向で舵をきりました。
 

――たしかに、『ロマサガRS』はシリーズの魅力を踏襲してか、歯ごたえあるバトルも多いですよね。本来であれば、難易度はユーザーの離脱率につながるなど、ひとつの改修ポイントとして懸念されがちですが、それを寛容にしてしまえば、「サガ」らしさが消えて本末転倒になってしまう。家庭用ゲームIPを題材としたスマホゲームは、作品が持つ魅力とユーザーの原体験を尊重しながら、ときに大胆不敵にゲームデザインを取り入れるのも重要ですね。

▲過去のTVCMでは、あえて難度の高さを全面に押し出したクリエイティブも採用。

ええ。こうした開発時に得た経験(原点)は、運営中にもよく立ち返ることがあります。現在の『ロマサガRS』は、リリース当時の勢いから比べると安定してきたものの、やはり周年のタイミングでは「なんのためにやっているんだっけ」「サガらしさってなんだっけ」ということについて、話し合ってから打ち合わせを始めています。

決して、現実的な数字を追うためではなく、毎回ワクワクする企画を用意して、ユーザーに驚いてもらおう、喜んでもらおう、そこに根ざした運営を心がけていますね。
 

奇抜なマーケティング施策も
世界観に根ざした企画に

――「サガ」シリーズは、市川さんが『エンペラーズ サガ』を担当したころから、多角的なマーケティング施策で露出が増えたと思います。

最初は『エンペラーズ サガ』のプロモーションとして間接的に寄与するなら、という感覚でやっていましたが、さきほど話した「サガ」シリーズに本腰を入れる2016年ごろから、本格的に「サガ」シリーズのブランディングのために企画していきました。

だから、シリーズは30周年を迎えましたが、私が担当しているのはここ10年くらいですね。最初期の10年は、河津を中心に『魔界塔士サ・ガ』『ロマンシング サ・ガ』『サガ フロンティア』などコンシューマタイトルの新作が次々と発売されました。次の10年はリメイク版こそ発売されたものの、全体を通してシリーズは寝かされていた状態でした。

河津がディレクション(ゲームデザイン含む)を務めた「サガ」シリーズのタイトルも、2005年に発売された『ロマンシング サ・ガ』のフルリメイク作品『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』から、2016年発売の『サガ スカーレット グレイス』まで、なかなかゲームがでなかった期間がありますね。そして、次の10年くらいから私と河津がプロデューサーとして力を入れている時期だと思います。
 

――その空白の期間から、バトンをつないでいったのですね。そこから次の10年を担うのも大変だったかと思います。

ただ、空白期間の際、イトケンさん(サガシリーズの作曲家・伊藤賢治氏)がよくライブを開催していたので、それが申し訳なくとも励みになっていました。当時の「サガ」シリーズはとくに大々的な展開はなくとも、イトケンさんは「サガ」の音楽を通して盛り上げてくれていたのです。その姿を見ていたら、「これはもっとサポートしなければ」と現在の取り組みなどにつながりました。

あとはファンの皆さんへの還元ですね。『エンペラーズ サガ』がヒットしたときも、どうすれば皆さんに恩返しができるだろうということをよく考えていました。それがコラボなどのマーケティング施策だったり、単純にリマスター版や完全新作の発売だったりと、いただいたものをお返しするための取り組みを意識して進めていました。

恐らく『エンペラーズ サガ』のヒットがなければ、部署異動後にいきなり3本の企画を立ち上げ『サガ スカーレット グレイス』のプロデューサーをするのは難しかったと思います。それもファンの皆さんによる支持とコンテンツへの投資が、「サガ」シリーズの可能性を切り開き、ついには社内外の信頼にもつながったのだと思います。
 

――なるほど。「サガ」シリーズといえば、ユニークなコラボ施策も魅力です。なかでも「サガと佐賀」をかけた「Romancing 佐賀」コラボは、2014年から始まり今年で5回目にも及んでいますね。こうした企画と実行は、市川さんがご担当されているのでしょうか。

はい。当初は、私ひとりで始めました。
 

――え、おひとりで。

そうなんです。だれもいなかったので、自分で企画して、電話やメールで営業して、打ち合わせして、実行して……(苦笑)。
 

――驚きです。

佐賀県とのコラボも前例がなかったので本当に手探りでしたが、結果として予想以上の成果を上げることができました。ただの物産展で終わらないよう、きちんと形や地域に残るものを意識して毎回取り組みを進めていきました。
 

――以前、「Romancing 佐賀」について佐賀県側の担当者にお話を聞きましたが、県側も「PR活動の転機となった」とその成果に驚いていました(関連記事)。

▲第1弾では、東京・六本木でイベントを開催したところ、4日間で全国から約7000人の来場者があった。また、コラボカフェは最長で2時間待ちの行列となるほどの盛況ぶりで、物販コーナーでも、シリーズ歴代のキャラクターがプリントされた有田焼の小皿セットが初日に完売。

ありがたいことです。アカツキさんもこの「Romancing 佐賀」の企画を覚えていて、『ロマサガRS』開発前でしたが「サガ」シリーズに興味を持ってくれていたようです。結果として、地域創生につながる施策として各方面で評価されたり、支持されたりした、本当に有意義な取り組みとなりました。

ちなみに今年の第5弾では、地域に残るものとして「サガ」シリーズのドット絵下水道マンホールが佐賀県佐賀市に2020年10月下旬に設置予定です。長く残るものを、というのが長年の夢でしたが、地域の景観にかかわることで、関係部署との調整などにも時間がかかり、今年ようやく叶いました。本当に良かったです。

▲記者発表会で実物の下水道マンホールと写る佐賀県知事の山口祥義氏(写真はプレスリリースより)。世界初のドット柄マンホールは「サガ」チームが佐賀県側に寄贈したもの。なお、記者発表会では『ロマンシング サ・ガ』のBGM「下水道」と共にそのデザインが披露された。

――こうした企画を考える際、どういう手順を踏んでいるのでしょうか。

自分ひとりで考えることもありますが、やはり近くにクリエイターたちがいるので気軽にアイデアを相談できるのがいいですね。
 

――奇抜な企画はこうして生まれるのですね。

とはいえ、闇雲に企画しているわけではありません。きちんと「サガ」シリーズの世界観に根付いた内容を意識しています。たとえば、さきほどのマンホール(下水道BGM)はもちろん、ウイスキーコラボは『ロマンシング サ・ガ2』の冒頭が酒場から始まるので、その情景が思い浮かぶような形で企画しました。
 

ユーザーから得られる情報の貴重さ

――「サガ」チームは一枚岩で奔走されているのですね。

ただ、生みの親である河津は、あまり「サガ」というIPをどうプロデュースするかということよりも、クリエイターとしてとにかく常に次の作品のことに邁進していますね。むしろ、それでいいと思っています。

「サガを盛り上げて、もっと媒体に露出しなければ」「あそことコラボしてみよう」とかは、私みたいな俗人の考えることであり担当です。なので、同じプロデューサーという職種でも視点は全く違うのかもしれません。ちなみに、施策自体はどれも河津は喜んでくれています。

――市川さん自身も「サガ」シリーズとの出会いは、いちユーザーからだったのでしょうか。

そうですね。子供のときに遊んで衝撃を覚えました。そういう意味では、外部から見たユーザーの視点と、作り手側の視点、双方を持ち合わせているのは強みかもしれません。なので、企画の際にも「ユーザーはもっとここを知りたがっている」「このエピソードは人気がありますよ」とさまざまな視点と意見をつなぎ合わせたことで、ユニークなオリジナルコンテンツが出来上がるのはこれまでも幾度かありました。
 

――ユーザー目線を持ち合わせる市川さんの存在は、河津さんにとっても刺激になったのではないでしょうか。

矛盾したことをいうかもしれませんが、実は自分がユーザー目線になれたのは河津に出会ってからなんですよ。というのも、河津はだれよりもユーザーのことを見ています。どう驚かせて、感動させようかと、つねに考えています。だからこそ、フリーシナリオや閃きなど、斬新なシステムを作り上げることができるのです。

どちらかというと私は、河津と一緒に仕事する前は「いまこれが流行っているから、これがいいだろう」とか、周囲のノイズに影響されることが多々ありました。だから、はじめて一緒に仕事をしたときは、とにかく新鮮でしたし、本当に勉強になりました。
 

――多角的なマーケティング施策は、当然「サガ」シリーズを盛り上げる要素を担ったと思いますが、ほかにプラスに影響したこととかありますか。

ファンの顔や声を直接聞く機会を得たことですね。佐賀県のコラボもそうですが、イトケンさんのライブ、舞台など、「サガ」のコンテンツに触れている人たちのリアクションだったり、会話だったりを見聞きしていると、いまなにを望んでいるのかを考えるきっかけにもなります。なので、イベントごとに関しては、「サガ」チームはもちろん、アカツキさんも招待してファンの声に直接触れる機会を持ってもらうようにしていますね。
 

――実際になにか気づいた点などはありますか。

あくまでも肌感覚ですが、ユーザーの年齢層や男女比などを考慮して、ゲーム運用に反映させたり、コンソール機を持っていないという声があれば、リマスター版はいろいろなプラットフォームで遊べるようにしたり(※)など、ファンから得られる情報はとにかく貴重です。

※2019年11月発売の『ロマンシング サガ3』HDリマスターでは8プラットフォームに対応。
 

――そして2020年12月15日には、『魔界塔士サ・ガ』などシリーズ初期3作品を収録した『Sa・Ga COLLECTION』が発売されます。

ええ。「サガ」シリーズの原点ともいえる初期3作品を、ようやく発表することができて、初公開した際の生放送では感極まって泣いてしまいました。

 というのも、本当はもっと早く発表したかったのです。個人的にもシリーズファンですし、原点ともいえる作品なので、『Sa・Ga COLLECTION』の実現に奔走していたのですが、当時はまだシリーズを任されたばかりで、正直なところ自分も一杯一杯だったし、事業的な視点も足りなかったので、実現までに時間がかかってしまいました。

30周年の記念作品といえば聞こえはいいですが、自分のせいでここまで引っ張ってしまったので、発表できたことの安堵感と申し訳なさが涙で表れましたね。
 

――では、満を持してですね。

はい。本当に良かったです。
 

――市川さんと同じサガの初期3作品のファンも喜んでいることでしょう。一方『ロマサガRS』でもキャラクターをゲーム内だけのものとして消費するのではなく、コンシューマ版から受け継ぐキャラクターの魅力をきちんと反映したからこそだと思います。家庭用ゲームIPは、ヒットの原石と思われますが、その扱いは非常にセンシティブなものなのでしょう。

そうだと思います。本来は、IPに終わりはないですし、これからもゆっくりと着実に育てなければなりません。
 

――ユーザーからの支援、それを受けて開発側が還元するような形で、新作やコラボなどの施策を届けていく。こうした相互作用の関係を実現しているのですね。二人三脚でIPを盛り上げる姿勢が、次の施策、そして次の”新作“にもつながっていくものだと思います。それでは、最後に今後の展望について教えてください。

今年はこの状況ですので、でリアルイベントが開催できない代わりに、「サガ」のオールスタータイトルである『ロマサガRS』で頻繁に行っているアンケート結果を読み込み、生放送などでユーザーさんにより向き合うことができる体制を築いたり、今までシリーズを支えて下さったファンの皆様にどう還元していけるかをチーム全体で考えていければと思います。

また、弊社の企業理念に「最高の物語を提供することで、世界中の人々の幸福に貢献する」という言葉があります。「最高の物語を提供すること」に関しては、これからも歩みを止めることはありませんが、これからは、その最高の物語を受け取った人の気持ちに、もっと寄り添っていかなければならないとも思いました。

それはどういう形で届けていくかはわかりませんし、我々もまだまだ発表できていないこともありますので、ぜひ、これからの「サガ」シリーズにご期待ください。
 

――本日はありがとうございました。


株式会社スクウェア・エニックス

取材・執筆:原孝則
撮影・編集:NEXT MARKETING編集部

 

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