サイバーエージェント、通期は売上高3,713億6,200万円の過去最高を更新 今期は10本の新作を予定

【決算概要】

 株式会社サイバーエージェントの2017年9月期(2016年10月1日~2017年9月30日)の通期決算は、売上高3,713億6,200万円(前期比19.5%増)、営業利益307億円(前期比16.6%減)、経常利益287億4,100万円(前期比18.7%減)、当期純利益40億2,400万円(前期比70.4%減)となった。売上高は過去最高を更新。なお、「AbemaTV」等の動画事業へ209億円の先行投資を行ったため、利益は軒並み前期より大幅減となっている。この先行投資を除いた既存事業(広告事業、ゲーム事業、メディア事業の「Ameba」等)の営業利益は516億円で、こちらも過去最高を更新した。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p3

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p4

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p5

 第4四半期(2017年7月1日~2017年9月30日)の単期業績は売上高1,018億7,600万円(前年同期比19.0%増)、営業利益98億1,100万円(前年同期比132.5%増)、経常利益93億3,700億円(前年同期比163.6%増)、当期純利益10億1,500万円(前年同期比23.0%減)となった。 

 

【事業状況】

インターネット広告事業

 国内トップのシェアを誇るインターネット広告事業は、通期でセグメント売上2,081億8,200万円(前期比18.7%)、セグメント利益187億1,800万円(前期比23.5%増)となった。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p14

 第4四半期単期では、セグメント売上557億6,000万円(前年同期比16.3%増)、セグメント利益45億4,200万円(前年同期比5.7%増)だった。事業の成長を牽引したのはスマートフォン向けの広告で、セグメント売上の約80%を占めている。スマートフォン向け広告による売上は前年同期比で24.3%増加しており、特にインフィード広告と動画広告が好調だという。動画広告は売上が前年同期の1.6倍に達した。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p15

 また、スマートフォン向けの広告サービスを提供する子会社のCyberZはe-sports大会「RAGE」の運営も行っており、9月にはCygamesの人気タイトル『シャドウバース』とコラボレーションした大規模イベントを開催した。さらに、同社が提供するゲーム動画専門の配信プラットフォーム「OPENREC.tv」でイベントの模様を配信するなど、グループ間のシナジーでe-sports分野への進出を本格化させている。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p47

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p48

ゲーム事業

 スマートフォン向けゲームの開発・運営を行うゲーム事業は、通期でセグメント売上1,403億100万円(前期比14.4%増)、セグメント利益265億300万円(前期比13.0%減)となった。減益は、広告宣伝費の増加のためとしている。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p22

 第4四半期単期では、セグメント売上363億3,200万円(前年同期比5.0%増)、セグメント利益52億3,700万円(前年同期比30.3%減)となり、前述のとおり、『グランブルーファンタジー』『シャドウバース』『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』の宣伝を強化したことが響いた。なお、売上はゲーム事業で過去最高を更新。

 ゲーム事業の柱となっているのは主に2014年・2015年にリリースされたタイトルで、Cygamesの『グランブルーファンタジー』『ドラゴンクエスト モンスターズ スーパーライト』、『アイドルマスター シンデレラガールズ スターライトステージ』が引き続きセールスランキングの上位を推移している。2017年リリースの主な新作は、Craft Eggが開発・運営する『バンドリ!ガールズバンドパーティ!』とアプリボットの『神式一閃 カムライトライブ』があり、前者はApp Storeゲームカテゴリのセールスランキングで度々TOP10入りしている一方で、後者は良質な育成ゲームであるものの、不振が続いている。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p23

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p25

メディア事業

 「Ameba」、ライブ配信プラットフォーム「Fresh!」と「AbemaTV」を展開するメディア事業は、セグメント売上256億5,300万円(前期比17.0%増)、セグメント損失は185億8,500万円(前期は76億1,500万円の赤字)となった。AbemaTVは前年に続き大規模な先行投資が行われた。

 第4四半期単期では、セグメント売上68億4,200万円(前年同期比19.2%増)、セグメント損失は41億6,100万円(前年同期は52億1,900万円の赤字)。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p29

 今年9月までにAbemaTVのMAU(Monthly Active User:月間ユーザー数)は948万人に増え、「Amazonプライム・ビデオ」や「niconico」といった有名動画サービスを大きく超える規模にまで拡大しているという。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p31

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p35

 ユーザー数増加のきっかけとなったのは、オリジナルのドラマ番組やリアリティショーに加え、将棋番組『藤井聡太四段 炎の七番勝負』、元SMAPの3人が出演した生放送番組『72時間ホンネテレビ』など、話題の人物をいち早く起用した企画だった。ユーザー層は「25~34歳」「18歳~24歳」と若年層が中心だが、幅広いジャンルで番組が拡充されたためか、「45~54歳」「55~65歳」の年齢層も利用者が増加している。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p34

 AbemaTVの主な収入源は広告商品の販売で、CM平均視聴完了率は80%、普段TVを見ない人へもアプローチができる点が強み。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p41

投資育成事業

 コーポレートベンチャーキャピタル、子会社のサイバーエージェント・ベンチャーズでのファンド運営を含む投資育成事業では、セグメント売上高67億9,000万円(前期比288.4%増)、セグメント利益は48億2,700万円(前期比1156.1%増)となった。

その他事業

 子会社シーエー・モバイル、ウェディングパーク等の事業により、セグメント売上高135億400万円(前期比37.6%増)、セグメント利益17億9,700万円(前期比58.6%増)を計上している。

 

【見通し】

 2018年9月期の業績予想は累計で売上高4,200億円(前期比13.1%増)、営業利益300億円(前期比2.3%減)、経常利益280億円(前期比2.6%減)、当期純利益50億円(前期比24.2%増)を見込んでいる。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p10

 AbemaTVには2017年度と同規模の先行投資を継続し、主力ビジネスの広告事業、ゲーム事業、Amebaなどメディア事業の一部サービスで営業利益500億を確保していくという。セグメント別では、インターネット広告事業で12%増の210億円、ゲーム事業は微減の260億円の営業利益が目標となる。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p11

 インターネット広告事業は好調な動画広告に注力すると共に、運用力の強化に努めるとしている。ゲーム事業はオリジナルIP、他社IP合わせて10本の新作を予定しており、Cygamesの『プリンセスコネクト!Re:Dive』が事前登録受付中であるほか、サムザップの『戦国ASURA』も12月18日にβテストを行い、開発が進んでいる。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p26

 投資フェーズの続くメディア事業では、AbemaTVを中心にe-sports、プロレス、アニメファンドなど周辺業界を巻き込んで収益の多角化を図り、AbemaTVで1,000万WAUを目指すという。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p42

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p43

 新規事業では、マッチングサービスを成長市場と捉え、「タップル誕生」など複数のサービスを開始している。また、10月には仮想通貨取引所のサイバーエージェントビットコインを設立し、話題となった。

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p45

(出典)2017年9月期 通期 決算説明会資料 p49


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